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『TRUMP』

もう色々あってわざわざPC開いて何か書く気が全く起きないので、ずいぶん放置してしまった。相変わらずそんな気力はないのだが、とにかくそろそろリハビリを始めないとどうにもならないのでとりあえず書けそうなところから書くことにした。

というわけで、今回は昨日観てきた舞台『TRUMP』の話を。なんかメレンゲファンに刺身にされそうだが、違うのだ。こっちのチケットを取っただいぶ後にライブが決まったのでどうしようもなかったのだ。『TRUMP』のチケットは倍くらいするしな。後生だから活け造りだけは勘弁してほしい。

TRUMP』はピースピットの末満健一のライフワーク第一作で2009年初演、それから2012年の再演とオールフィーメール版、2013年再々演を経て、今回五度目である。その合間合間にピースを埋めるように新たな作品が発表されている。

吸血種=ヴァンプは人間でいう思春期に繭期という時期を迎える。繭期のヴァンプは精神的に不安定であり、不可侵条約によってかろうじて繋ぎとめている人間とヴァンプのあいだの関係を壊しかねない存在である。そのため、繭期の症状が現れた少年たちは、肉体的にも精神的にも成長過程にある彼らを教育・監視するクランへと送られる。すでに何代も人間の血が入っていながら繭期を発症したダンピールの少年、ソフィ・アンダーソンがクランへやってきたことで、真なる吸血種=TRUMPにまつわる百年前の悲劇が息を吹き返し、完璧なかたちに向かって急速に動き出してゆく。

あらすじを詳しく書き出すことはしない。小生は現時点で再演のTRUTHヴァージョンと今回のTRUTH、そして『SPECTER』を観ている。『LILIUM』は核心部分はなんとなく知っている。という感じで、基本的には再演と比較しながら観る部分が大きかったと思う。

TRUMP』は忌み嫌われるダンピールであるソフィと名門の子であるウルのように、基本的に対になり互いに補完しあう二役一組で登場人物が配置されている。いやあ、役通りにソフィのキャストが美少年になったのは今回初の快挙ではないか。初演の田渕法明なんかは中性的な美青年だとは思うが、おそらく美少年ではなかっただろうと思う。末満は「これは擬人化ならぬ擬美少年化である」と嘯いていたが、とりあえず主役の二人、特にソフィは役と役者の実年齢が近い方が望ましいのではないか。ソフィは彼自身の特質としては極めてフラットであるにも関わらず、その存在自体が抗いがたく悲劇の心臓として機能してしまう。だからソフィは美しければ美しいほどよいのだ。

歴代のキャストを観ていても、ソフィはニュートラルというか、まだほとんど何かの色に染められていない白い紙のような美少年である。虐げられる環境の影は多少差しているが、基本的な情動や意志はかなり純粋でほとんど混じりけがない。対してウルは外見も内面もいくらか癖があり、陰翳に富む印象である。ウルには屈託がある。ソフィは素質がものをいう役であり、ウルの方が役者としてはやり甲斐があるかもしれない。観てないからあれだが、初演の田渕ソフィはもしかしたらちょっと巧すぎたりした可能性はあるな。

しかし、今回の早乙女ウルは歴代のウルのなかでも類を見ないアクの強さで面白かった。貴族の息子とは思えない柄の悪さである。よくいえばワイルドか。個人的にはぶっちゃけ早乙女ウルの性格というのがいまいち掴み切れなかった。貴種にして野卑であり、粗野にしてその心身は極めて脆弱である。いいとこの坊ちゃんが悪ぶっているにしては、粗野さが身体化されすぎているのだ。あとあんまり弟っぽくないのな。まあそれは求めすぎか。滑舌が悪いのが最大の欠点だが、やはり剣を持たせると滅法格好いい。高杉ソフィがフラットな演技なので、早乙女ウルの持つ教養の異質さというのが際立っていたような気がする。それにしても剣さばきはもっとじっくり観たかった。

そして悲劇の発端であるティーチャークラウスとアレンなのだが、山浦クラウスがあまりにも完璧なので全くノーマークだった陳内クラウスが予想を裏切ってとてもよかった。ふとした時の声のなめらかで継ぎ目のない冷やかさがよい。狂気のむき出し方がうまいなあ。脱帽。武田アレンはわりとごついが若くていいね。赤星アレンはなあ、、若かったらなあ。。。(※個人の感想です)

ラファエロとアンジェリコも今までと比べて脚本でも関係性が掘り下げられているし、より役にフィットしていたと思う。アンジェリコめっちゃ歌ってんなと思ったらミュージカルの人なのか。面白い。平田バンリはソフィと話す時やけに声がうきうきしていると思ったら、インタビューでも「最近、高杉真宙がかわいくて・・・」ということを言っていて「おお・・・」と思った。まあ男しかいないホモソーシャルな空間だからね。新羅花郎と一緒だね。うちの指導教授の好きなやつですよ。間違ってもホモセクシャルではない。まあいいか。

ダリ卿は抑制のきいた演技だったのがわりと意外だったのだが、その分椅子が、、、椅子がだいぶすごいことになっていたがあれは何なのか。まあいいか。
  1. 2015/11/28(土) 13:42:00|
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