inkblot

20140824


 まあ24日近辺にはいつもより志村のことを考える訳なのだが、今日は朝から晩までバイトだった。バイトは各部署大体二人で組むのだが、今日の相手は後輩のでぶである。あだ名は大将、説明するまでもないがふとっていて、顔はこう、おかめみたいな、なんつうか、うん、ヤサシイ風貌をしている。小生は会うたび「そのふざけた顔面をどうにかしろ」と吹っかけているのだが、まあ要するにいじられキャラである。なんか言うとすぐ肩パンしてくるので、正直むかつく。おいこっちは4つも先輩だぞナメてんのか! 

 朝っぱらから、でぶのむかつく平安貴族みたいなむちむちした顔が視界にちらつく状態で勤務をこなしていたのだが、あいつ、朝からぶっこんできた。白血病だった彼女が一週間前に亡くなったらしい。おいおい、マンガみたいな見た目だが、人生もマンガみたいだな! ちなみに彼女はドSらしい。だろうな豚野郎。ったくやれやれだぜ。。。。。それからは夕方まで、甘酸っぱい思い出と泣き言のフルコースである。

 苦しめ苦しめ。今が一番どうしようもない時間なんだから、存分に苦しめばいい。逃げ場なんか、どこを探したってないのである。言っとくが、どんなに悲しくったってどんなにさびしくったって、時間が経てば絶対に薄れるのだ。だんだん何も感じなくなっていく時が一番怖ろしい。つらいうちが華だ。もう後から後から後悔が湧き出しているだろうが、そんなもん、当たり前である。もうね、むしろ死んだやつにできることはそのくらいなのである。後悔すること、思い出すこと、泣くこと。

 死者の声が聴こえるか、彼らはいつもこう言っているのだ、おれを忘れるな、忘れないでくれと。死者の本質は、記憶の喚起である。死者は忘却を妨げるために、目の前に立ち現れる。だから、忘れないでやれ。いつもあの切ない声に耳を澄ませ。私もそうする。そうしている。でぶの彼女だとか、志村だけではない。たとえば震災。無数の死者たち。はっきり言って、世界は生きている者のものである。生きているやつらの方がえらい。でもあなたたちを背負い込んで、我々は生きていく。死ぬまで生き抜く。覚えていられるだけ覚えているつもりだぜ。

 で、なんか小生は今日一日、志村は散文はあまりうまくなかったよなあ、やはり詩だ、とか考えていた。はいそこ、中也と重ねない。中也は先生がちょっと預かっておく。中也は中也、志村は志村である。単純に日記を読み比べた時、志村よか、たとえばホリエやクボなんかの方がずっと面白い。だがやつの書く詩の鮮やかさは何なのだろう。抒情的なものも言うまでもなくよいのだが、あの訳分からないのは一体どっから飛び出してくるのか。もっと丁寧に読み解いてみたい。「銀河」なんか、やっぱりこよなく好きなのである。もうちょっと前近代的な世界観の文脈で、面白い読みができそうな気がする。


  1. 2014/08/24(日) 23:18:17|
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