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手控01


百年神主(ももとせかんぬし)




 中世くらゐの東国(東北あたり)の或る村に、鞠古といふ家があつた。

農業はせず、養蚕で生計を立ててゐた。

着物は白い狩衣であつて、履物は履かぬ。

村人との交流は祭事・神事の時以外は持たず、作つた質の良い絹の反物を持つて町へ行くぐらゐしか抑抑(そもそも)目立つ遣り取りはなかつた。

米は買ふが、魚を獲つたり少しの菜くらゐなら作つてゐたと云ふ。


 鞠古の家と云ふのは元来余所(よそ)者の家系であつて、昔から村外れにあつて然したる神職の居ぬ其の村の神主をしてゐた。

鞠古の家の者は皆長身痩躯、白皙であつて長い手足を持つて居つて、言葉に独特の訛りがあつたと云ふ。






  1. 2010/04/09(金) 00:15:10|
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