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星に似た何か


 もしもう少し早く生まれていたら、子どもの自分はスピッツやミスチルに心を撃ち抜かれていたかもしれないし、もう少し遅く生まれていたらラッドやワンオクやセカオワがスターだったかもしれない。まあ世界の終わりは蛆虫にお金をたっぷり掛けて砂糖や綺麗なもので見た目を整えて笑顔で差し出すようなバンドだから、中学生くらいの小生でも多分その腐臭は見抜けるだろうと思うが。

 あるいはこれくらいの年だったら、もっとアジカンやエルレが好きでもよかったかもしれない。だが小生にとって一番大きな場所にずっと居座っているバンドはBUMP OF CHICKENで、こいつがもう一度でも大事な場所にはめ込まれてしまったらもうどんなものもそこには割り込めない。困ったものである。どうせ一時の安い魔法だろうと思っていたのに、かかりっぱなしのままこんな所まで来てしまった。なんなんだよ。こうして一緒に年を取っている今が誇りだ。これから先もどうせそうさ。いいだろ。

 それは星に似た何かだ。そこにあることは誰だって知っているし、誰にだって見えるし、会ったこともないたくさんの人が同じものをどこかで観て、慰められたり喜んだり綺麗だと思ったりしている。でも小生はあの星をひとりで見つけてたったひとつの意味と名前をつけたから、だからあの星は小生だけの星だ。あの星は小生だけのために輝く。同じ光はまた別のどこかでまた別の誰かのためだけの輝きを放っているだろう。でもこれは小生だけの星だ。間違いない。小生がそう望んだからそうなのだ。

 もう勝手に消えてしまうんじゃないかとか勝手に遠ざかっていってしまうんじゃないかという心配はしない。決して消えないことをもう知っている。死ぬ時はきっと最後の光をこの目に注いでくれるだろう。大事なものはもう手に入れたから、辛いことは辛いことのまま辛くなくなる。そういう類のものを生きていく中でいくつ手に入れられるのか、まあひとつだけなのかもしれないが、でもそのひとつは確かにこれだ。



  1. 2014/03/11(火) 15:17:14|
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