inkblot

2013524

 容赦ない日差しから逃れるように「赤黄色の金木犀」ばかり聴いている。あの曲に流れる冷えた空気を感じたかったのだ。射るような日の光に細められた目にも、じき陽炎が見えるだろう。

 19日のNHKホール、フジファブリックのライブは凄まじかった。ただ単純にいい新譜を出したいいバンドに対する期待感だけがあったはずなんだが、結果的にそれだけで観ることができなかった。志村の書いた曲を歌う山内の声に、うるさいほど志村の声が被さって来る。3人だけで作った曲にはその先にいる志村を意識してしまう。タオルを買っていて本当によかった。汚い顔を更に汚くしていたので、客電もずっとつかなければいいと思っていた。

 まったく、しゃべれるかさぶたともし会ったら必ずボッコボコにしてやろうと思う。何が「ここは任せとけ」だ。全然治ってないじゃないか。おまえはちっとも小さくならないし、それどころか時々勝手にずる剥けて血が出る。おまけにケンカの相手とは未だに仲直りできない。志村の死という喧嘩相手と。

 4年かけてまだできないとなると、向こう10年か20年は覚悟しないといけない。もしかしたら一生無理かもしれない。こればっかりはわかんねえな。誰か教えてくれたらいいのにな。

 小生は折に触れて或る詩を思い浮べる。口ずさむ。この詩に書こうと思っていることをほとんど書かれてしまったのでいつも困っている。詩人がこの詩だけ、こっそり隠しに仕舞い込んで素知らぬ顔をしてくれればよかった。そうしたら小生にも書けることがもう少しあった。


  疲れやつれた美しい顔よ、
  私はおまへを愛す。
  さうあるべきがよかつたかもしれない多くの顔たちの中に、
  私は容易におまへを見付ける。


 小生は詩人と同じように、多くの顔の中に彼と同じ苦しみや寂しさが刹那よぎるのを見出す。それは同じように寂しいことなのだろうか? 
  1. 2013/05/24(金) 23:30:30|
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