inkblot

生還


 いやもう全くチケットが取れなかったので、当日は何も考えないようにして、先輩と某大に潜入したり先輩を見詰めたり先輩と熱く語り合ったりと充実した一日を送った。ライブには行けなかったが非常に楽しかった。そして家に帰ってそそくさと五十嵐隆のソロライブについて調べ始めた訳である。

 PCの画面を追う目が次第に見開かれていく。これは! ボーカル・ギターは五十嵐隆、サポートには中畑大樹のドラム、ベースはキタダマキ。「Reborn」で始まり、「翌日」で終わったという。これは――これはsyrup16gじゃないか! 期待するなっていう方が無理だ! 箱が開けられ、音楽が飛び出して行った後には最早希望しか残っていない。

 そして会場に贈られた花は唯一、親戚一同と書かれたものだけ。ライブの主催はビンテージロックだったな。つまり、レコード会社や事務所はこのライブに一切関わっていない。五十嵐は、至近距離でバンドを蝕み続けたものと長い時間をかけて決別し、ようやく戻って来たのだ。これは幻ではない。今、くたびれた負け犬はその首に長年食い込んでいた枷から解き放たれた。5月8日、このように福音はもたらされたのである。

 依然として、五十嵐隆が進む道は灼け付くような過酷なものではあるのだろう。彼が今後すぐに活発に動き出すというのも難しいに違いない。彼はおそらく、とても大きなものを敵に回したのだ。けれども、これから彼のライブを観ること、彼の新譜を手にすることができる日が来るのだという夢は一気に現実味を増した。最早それは絵空事ではない。次は、きっと、ある。

 今際の際にそっと寄り添ってくれるような優しく、この世のものとは思えないほど美しいあの音楽を直に耳にする日のために祈りを捧げよう。ありがとう。




  1. 2013/05/16(木) 01:09:27|
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