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「天鼓」後書き


 これは能(謡曲)の『天鼓』という曲目を題材とした掌編である。『天鼓』で書くのはずっとやりたいと思っていて最初は旧仮名旧字で書いていたが、全く進まず埒が明かないので新しく書き直したら割とするっと書けてしまった。まあ原稿用紙で13枚ほどなので大した分量ではないが。

 登場人物たちは特別誰かに似せようとした訳ではない。だけども、天鼓を幸せそうに書きたいというのは常に念頭にあった。皇帝なんぞに赦される以前に天鼓は赦された存在だと思った。ガキ臭いな。けれどもそれと二重露光のように誰かも向こうでは報われて楽しくやっているのだということを思い込ませるように書いた。

 いやあ、やっぱり未だに忘れられないくらいに悔しいよな。繰り返し繰り返し、何度も何度も「彼の才能と努力が見事に報われる」というシナリオを書かなくてはこちらが悶絶してしまう。一体どれだけ同じことを書いたら気が済むんだろうな。分からない。出来れば一生そうであればいいんだが。


  1. 2012/12/24(月) 12:39:32|
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