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波多野は本当に気違いか


 ピープルについてどんなことが言われていたりどんな風に思われているのかはさっぱり分からないが、やはり気違いじみているというようなことが言われているんだろうか。波多野の言動や世界観は確かにおかしいがというか確実に言動は職質ものだが、考えてみると波多野が気違いだと思ったことはない。せいぜい佯狂みたいだなと思うくらいである。もちろん気色悪いということはしょっちゅう思っている。ツイッターなんかでも思ったよりもまともな感じがするが、歌詞を読んでいてもやはり格別「ああ気違いだなあ。気違いだ」と思うようなことがない。多分そのまともさは表面ではなくもっと根本のところにあるのだろう。

 ここ一月くらいかなりよくthe HIATUSを聴いているが本当の気違いというのはああいうのを言うのじゃないか。あんな物凄い声で「Save me」と叫ぶ人間がどこにいるだろう。そして曲調があれだけ目まぐるしく変わっていっても歌詞だけは全く何も変わらない。「Please stay awhile Until I get to be the right one Please come back to me When I can get to be the right one」。「Tell me you are here to stay In this crazy mixed up world And we still can make it right」。「I'm a fuckup and I'm a nuts so she's gone」。「I'm sorry I've never meant to be like this」。「I tried I tried I tried Hey I swear I tried I swear I tried」。何十年も歌って来て結局言いたいことが「僕はクソったれのゴミ野郎だ。だけど一生懸命頑張るから戻ってきて。お願いだから」というただそれだけということがうすら寒くなるほど怖ろしいことのように思う。

 細美はまともになろう、なろうと真っ正直に真っ直ぐに努力している気違いだ。作為的でなく素で狂っているから怖い。ぱっと見は至ってまともだが、彼の観ている風景は奇妙に捩じれ溶けて歪んでいる。これはもう治らない怪我、病気ではないだろうか。彼が人としての幸福を得ることはおそらくないだろう。なぜなら彼自身がそれに決別し表現者としてその先を常に見据えているからである。この先も彼に途切れることなく表現者としての幸福と栄光があればいい。




  1. 2012/09/21(金) 11:50:44|
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  1. 2012/09/24(月) 21:29:40 |
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Re: 見まくってるよ!!!

コメントどうも。褒めても何も出ないっすよ。苦笑 

ハイエイタスいいっす。実はNHKホール行きます。余力があったら書くっす。。笑 バンドだけじゃなく作家もはまってもらえるとうれしいっすね! 殊能将之、向山貴彦、北山猛邦はいいっすね。『ほたるの群れ』楽しみっす。あと地味に百閒だとか川端だとか文豪も個人的にブームが来てます。もっと本読みてえ! 

  1. 2012/10/07(日) 19:07:58 |
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  3. 北田斎 #-
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