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マースチェル


 芸術家に対して、彼の人間的な幸福を祈るのは間違っている。彼は不安や怖れや尚早や悲しみを種として美しいものを生み出していかなくてはならない。人間の本能が暖かさを求めても、芸術家の本能がそれを突き放す。

 けれども、少しくらい安心したっていいじゃないか。少しくらい気を抜いたっていいじゃないか。もう少し休んで構わなかった。もっと笑ってよかったし、音楽の事を全く考えない日があったっていいんだぞ。あいつは本当にバカだなあ。。。

 心の奥には未済感が消えることなく熾のように燃え続けている。普段は目立たないが、寒い夜更けには強く光と熱を放つ。もっと素晴らしい作品や言葉がいくつもあるから、本当は要らないものなんだけどもでもどうしてもあの話は書きたかった。人間として彼を認めたかったのだ。とかなんとか言って、消すことのできない未済感をなんとかして軽くしたかったのである。結局単なる自己満足以上の何物でもない。

 しかしこうやって何人もがいくつもの言葉をかけても、まだやつはあのさびしそうな顔で泣き出しそうに大きな目を見開いているんだろうかと考えてしまう。たくさんの花束のような歌や言葉が届けばいいんだがな。今でもまだ代わってやれるなら代わってやりたいと思う。この気持ちはいつか絶対忘れるだろうから、ポケットに入れたコインに手を触れるように何度も何度も確かめたい。

 また我々は彼が越えることのない未来を越えていく。ただ、心のいくらかはあの時に残しておきたい。するべきことなんか全然分からないけども、とりあえずは足掻いてみてるぜ。




  1. 2011/12/31(土) 23:45:20|
  2. 音楽
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<<実は紅白の小林幸子を観るのが大好きなのだが、ここ数年全く観ていない。どうもあれを観ないと年越した感じがしないんだよな。いや、確かにあれを観ない限り年を越したとは言えないのだ・・・! ん? 待てよ。確か幸子は2009年あたりから観ていないはずだから、小生は2009年から年を越していない、つまりまだ今年は2009年だということじゃないのか!(どうだ)  | ホーム | Study Or Die>>

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