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パレードが終わったら

 ホシデサルトパレードツアーが終わった。思っていた以上に忙しかったり、別件で手こずっていたりで覚え書きはまだ悲しいほど書き進んでいないが、あのライブについて大分冷静に振り返ることができるようになってきた気がするな。というか、本編を書くより先に書きたくなったことがあるので書く。

 それにしてもいいライブだった。くるり岸田が「フジファブリックは日本一かっこいいバンドだ」と言うのも当然だ。改めて志村の見ていた先というのがすごかったのだろうと感じさせられた。パフォーマンスのレベルが非常に高い。最近のバンドはそういった面が疎かになっているのも多い気がするんだが、基本的な所で手堅いフジファブリックには志村の執念を感じる。技術面が弱い輩には切実にフジを見習ってほしいよな。まあそうそう見習えるものじゃないが。

 しかしゼップは全てが圧倒的で、生気に満ちていた。一切手を抜かないので恐怖すら覚えたものである。すさまじかったな。。。あれを目の当たりにして、正直志村が云々と言っている余裕はまるでなかった。志村の不在について思いを巡らす隙のあるような生ぬるいライブではなかった。そして多分、それは3人の狙いのひとつであったと思う。

 志村のことを考える暇のないライブを。あの日、ステージの中央にはマイクスタンドが立ち、山内総一郎が立っていた。あの瞬間、あの位置はまぎれもなく山内のものだったな。彼は最早ボーカリストだった。うむ。上手く言えないがあれはフジファブリックでありながら、たとえばフジQのクボのように志村と強くシンクロしているという感じではなかった。まあでもクボがあれほど強く志村と一体化できるのは彼がアニミズム的思考の持ち主だからじゃないかと思うが。

 多分3人は志村のギターを他で補うということは絶対にこれからもしないだろう。志村の不在という取り返しのつかない欠落を、間に合わせで取り繕うようなことは彼らの誇りに懸けてないと言っていい。だが、かといって志村の不在を際立たせるようなことはあまりにも酷だ。それに今は正念場だから、彼らはオーディエンスの前に堂々と立って先導しなくてはならない。つらいだろうな。でも彼らは実に見事にやってのけている。志村の選んだ3人は本当に素晴らしかった。

 これから先、フジファブリックにおける志村の存在というのは非常に繊細なものであり続けるだろうと思う。彼らが彼らの胸をえぐることなく志村のことを語る日はおそらく訪れることはないだろうが、いつかまた志村をステージに立たせてやってほしい。3人の中の志村を見せて欲しい。





  1. 2011/12/22(木) 00:52:06|
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