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2011.9.2 新宿LOFT 35th anniversary 音速ライン/メレンゲ その2

 音速ラインが終わってまた幕が閉じる。時計を見ると20時ほどだった。そこからの転換が長かった。2,30分くらいかかったんじゃないか? 音速のファンが退いた瞬間、メレンゲファンが黄色い声を上げながら前に詰め掛けたので、正直恥ずかしかった。基本的に人は嫌いだが、こういうのを見ると本当にうんざりする。反面教師だな。。。いつも肝心な時に大事なことを忘れるんだから、忘れるということは忘れないようにしなくちゃいけないな……

 SEが止まった。上手側の天井からスモークが噴き出し始めた。幕が開いてメンバーが現れる。先頭はタケシタで、無駄に長かった髪を切って大分さっぱりしている。この日から売り出される新しいタオルを広げて見せた。クボは茶色のハットにアポリアのアー写と同じ奇抜な蒼いカーディガンに黒いサルエルである。他のメンバーがまともな格好をしているので、クボがどんな珍妙なファッションだったかでその日のライブが思い出しやすくなるのだ。そう考えればクボンゲのファッションセンスもありに思えて・・・来ない。やっぱりないな。なんなんだあれ。フジじゃねえんだから。小生は素早く上手側の達身の位置にマイクがないことを確認した……しゃべりの上手いサポートはメレンゲにおいては脅威でしかないのである……達身が手にしたのはメインのフライングV。何気にストラップがオシャレである。

 一曲目は「旅人」だ。いつ聴いても始まりにふさわしい曲だと思う。音量は音速より抑えてあるが、達身のギターがデカいな。音速はちょっと聴きづらかったが、その点メレンゲはロフトの音響についてもある程度心得ているようだった。メレンゲは音や照明にたいする意識が高いよな。クボンゲがエンジニア出身だからなんだろうか。しかし毎回クボが「迎えに来たよ お待たせ」と歌うのを聴くのは何かとても重要なことなんじゃないか。皆川のシンセは華があっていい。

 「ムーンライト!」というクボの一言で曲が移る。このドラマチックな構成はやはりヘッドフォンで聴いていたのでは駄目だな。というかシンセが! シンセの細かいフレーズがすごい。間奏のギターはちょっと弾き切れていない感じがしたが、やはりこのヴォーカルとメロは圧倒される。やはりクボは自分の声とそれの活かし方をよく分かっている。

 「ありがとう」というクボの短い一言を挟んで、「輝く蛍の輪」が始まる。やはりライブ映えする曲だな。これは達身のギターの男気がプラスに働いていると思った。この曲はギターがバッキバキの方がカッコいいよな。一回生でASEがサポートのメレンゲも観てみたいな。。。

 クボがアコースティックギターに持ち替えて「ルゥリィ」。アコギだと声がよく聴こえる。しかしハッとさせられる声である。「メレンゲは声が癒される」とか言うやつはどこだ。出てこい。小一時間くらい説教してやる。うーむ。この曲は達身より藤田の方がよかったな。ストラトのキンキンした細やかなサウンドが曲を引き締めていたからだ。達身は大振りするギタリストだと感じた。達身と比較すると藤田が割に繊細なギタリストなんだなあということに思い至る。

 また小さく「ありがとう」と呟いた後、そのまま「8月、落雷のストーリー」に入る。小生は一回一回曲が終わるたびに「ありがとう」と口にするミュージシャンが好きだ。この曲はやると思っていたので、ニヤけた。なんせ今日はTAIFUですから。達身は口の端に不敵な笑みを浮かべて、目を閉じて弾いている。鍵盤が音源で聴くような美しさだったのでなんだか感動してしまった。

クボ:CDを出したのはこっちの方が先なんで……先輩です。パイセンっす。・・・・・・って言えって言われたんですよ、ツヨシに。
タケシタ:! ・・・・・・いきなり悪質な振りが…苦笑

 本当に悪質としか言いようがない振りである。クボンゲもニヤニヤしていられるのは今のうちだけだと思った方がよかろう・・・タケシタは台風にも関わらずこんなに集まってくれてありがとう! これからどんどん盛り上げていきますというようなことを言って上手くまとめた。

 クボンゲが蒼いテレキャスに持ち替える。イントロで目を見張った。「絵本」だ。。。それなりにやっている曲なような気がするが、生で聴くのはこれが初めてである。地味な曲だと思うが、声の鳴り方がすごくいいよな。メレンゲに関してはボーカルについてばかり書いてしまうが、実際声がめちゃくちゃいいのである。

 その後、「untitled」「夢の続き」と続く。アレンジが変わっていたな。それから「二つの雨」「メモリーマン」と雨っぽい曲が続く。確信犯だなあ。しかしメレンゲの雨の唄はどれもいいな。いやそれにしても、鍵盤が・・・鍵盤がすごい。次の「アルカディア」もやはり鍵盤が。。。なんなんだ、一体。音の隙間を縫うような鍵盤の細かいフレーズがいちいち美しい。フジ金澤は面白いし目立つ鍵盤弾きだと思うが、皆川は決して出しゃばらないけれども他にはない鍵盤だな。こりゃ次の赤坂で横山の鍵盤聴くのが切なくなるな。。。かわいそうだとは思うが、皆川と横山では差がありすぎる。いや、今日でいかにこの間の音霊が皆川の無駄遣いだったかが分かるな。

 達身のギターはちょっと音がキンキンしていてよくなかったな。せっかくのフライングV、ギブソンなんだからもっとぶっとい音が聴きたかった。達身が入る意味はそこにあると言ってもいい気がする。クボ・藤田は二人ともフェンダーがメインなので、音が薄く鋭いからな。ただ、ASEプロデュースの『ギンガ』あたりは轟音でカッコよかった。まあ家帰ってから調べてみたら、ASEは普通にストラトを弾いてたが。どうでもいいが、ASEって阿瀬研一なんだな。ともかく、ストラトであんなにゴツい音像が作れるんだから、もっとぶっとい音をお願いします。クボ曰く、達身のサポートは秋だけらしいが、ツアーファイナルの赤坂ではもっとバンドになじんでいるだろうから楽しみである。弾き方は藤田を聴きなれているので正確さという点では若干甘く感じるが、あの男くささは好きだ。リハではストラトも使っていたので今日も使うのだろうかと思っていたが、ずっとフライングVだった。演奏している間、しばしばクボが嬉しそうに達身を見ているのが印象的だった。

 今回は大してしゃべらず、ひたすら演奏していた。メレンゲにはいつも無駄口叩いているイメージがあったので、珍しいなと思って観ていた。

クボ:音速とはほんとに久しぶりで・・・またやりたいですね。イベントとかしたいっす。年一回くらい。。。そしたら食べていける。笑 

 この日のクボンゲのMCはひどかった。ロフトで初心に帰りすぎて、罰ゲームでしゃべらされている高校生みたいになっていた。

クボ:今日は盛り上げようっていうんじゃなくて、こうしっとり聴かせる・・・・・・聴かせてこう、気持ちをちゃんと伝えるような、セットリストに、しました・・・・・・

 緊張しているのか呼吸は浅く、消え入りそうな声は泣きそうで弱弱しく、時々本当にフェードアウトする。おいおい・・・なんでMCでハラハラしなければならないのか。あんた、34だろ。。。話している最中にはっと我に返ったらしく、一瞬いつもの無駄な強気に戻ったこともあったが。何を考えているのか全く分からん。メレンゲの行く末よりも、クボンゲの個人的な行く末の方が心配である。ツイッターでは作ったこともないのにショコラ・キノ下相手に「料理作れまっせ!!」と自信満々なのも謎だ。「自炊はfuck」と言っていたくせにである。片寄夫妻やキノ下がちゃんとお守をしてくれることを願ってやまない。

 その他にも、タケシタに「今日はカメラが入ってるよ」と促され、ステージのすぐ下、柵前のカメラに向かって親指をぐっと立てて「ういっす!」と突き出してみせた。「ライブ来いよ!」その照れ方も半端なかった。

「今日は、心を込めて、一番大切な曲をやって帰りたいと思います……」

 途切れ途切れの泣きそうな声に笑いを漏らしていたオーディエンスも、空気が変わったのを感じ取って押し黙った。「火の鳥」である。。。必死としか言いようのない表情で歌うクボも、皆川の鍵盤も、達身のギターも素晴らしかった。山内もこの曲のレコーディングにはゴールドトップのレスポールスタンダードを持ってきてもよかったんじゃないか。他とは全く違う空気、他とは全く違う曲だった。泣けた。

 アンコールでは大分持ち直したらしく、MCもいくらかマシになっていた。

クボ:ずっと拍手してくれてたんですか? なんか・・・よく聴こえなかったんすよね。向こう(と上手袖を指す)はあんま聴こえてなくて、もっとしろよみたいな。ツヨシが。
タケシタ:「聴こえねえんだよ、もっとやれよ!」ってね。うん、言わないよ(仏のような穏やかさで)。


 「暑いっすね」と言いながら何度か帽子をちょっと持ちあげて髪をかいた後、クボは新曲をやりますと言った。何故かニヤニヤしている。カメラにもしっかりと「ちゃんと聴いとけよ」と言った後、「バンドワゴン」と曲名を口にした。「エース」じゃないのか! そう思った瞬間、シンセの音が鳴り響いた。宇宙的な広がりのある壮大なイントロに目を見張る。「ずっと夢見てた 夢の続きの続きの ハッピーエンドを目指す」。そんな出だしで始まった。その曲は新しく輝きに満ちて力強かった。間違いなく「あなた」に会いに行く旅は始まっていて、それは旅の途中の歌だった。本当に、いい曲だった。音源になるのが楽しみだ。まだまだ死ねんね。。。しかし、古巣のロフトで「エース」という一年ほども前からある曲をやるのではなく、できてから間もないであろう新曲を「前に進む」という宣言として改めて原点のハコで初披露したのはカッコいいよな。

 去り際に「今日から発売なんで、ぜひ買ってください!」とタケシタがタオルを広げたのを見て、クボも満面の笑みでタオルを広げる。だがしかし、タオルは上下が逆さであった。観客に笑いが漏れる。そのことに気付かず、オーディエンスに口々に指摘されるも、きいているのかいないのか、嬉しそうにニコニコしたまま「もっと買って!」と言って去って行った。フジQのDVDを観ていても毎回思うが、この男はいつもリアクションがワンテンポ遅く、尚且つトンチンカンである。何気に志村より何を考えているのかよく分からない。

 最後に残ったヤマザキがボーカルマイクに近寄って、「次は赤坂で会おう!」と言って去って行った。ヤマザキの言葉で気付いたが、そういや今日は誰一人ライブの告知をしなかったな! 赤坂? 赤坂の間に結構あるだろうに。いや、東京の次は赤坂なのか。時間もないので手短に赤坂と言ったのだろう。御苦労さまである。

 帰り際に片寄夫妻を目撃した。片寄明人はデカいデカいとずっと思っていたが、間近で見るとそうでもない気がした。クボンゲの方がデカそうである。ショコラはニコニコしていてかわいかった。まあ片寄のTシャツの柄の方がかわいかったが。片寄の細君なのでなんだかクボ志村キノ下なんかよりずっと年上のような気がしてしまうが、実際はキノ下と同年だということを知った時は正直震えた。家に帰ってツイッターを見たら、キノ下も来ていたらしい。

 という訳で、この日は皆川が神だということを身を持って学習して帰った。「バンドワゴン」、今更横山の鍵盤でなんか聴けねえよ。。。。本当にガチでメレンゲに正式加入してください。そんな皆川神のブログはこちらである。






SET LIST

1. 旅人
2. ムーンライト
3. 輝く蛍の輪
4. ルゥリィ
5. 8月、落雷のストーリー
6. 絵本
7. untitled
8. 夢の続き
9. 二つの雨
10. メモリーマン
11. アルカディア
12. 火の鳥
(EN)
バンドワゴン







  1. 2011/09/13(火) 10:00:35|
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コメント

コメントどうも。

皆川神のブログを見ると、改善点も結構あったような感じっすね。まあ小生はロフトで神っぷりをしっかり叩きこまれたんで、神の悪口は言いませんが。笑 

メレンゲはデカいハコでむちゃくちゃ映えるバンドだと思いましたが、まあ当日が来てみないと分からないっすね。。。かまってちゃんとかデカいハコで観た時は、うわ無駄だなあと思いましたよ。苦笑 ライブの良し悪しとは別ですが。。。

まあ気に入るといいすねとしか言えないっす。
  1. 2011/09/13(火) 23:28:45 |
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  3. 北田斎 #-
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  1. 2011/09/14(水) 00:11:18 |
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Re:

コメントありがとうございます。

スペシャの生中継は一瞬「お!」と思いましたが、すぐに微妙な気持ちになりました。。苦笑 意味がねえ・・・! ガチでUSTやってほしいっすね。苦笑 特に来週の初恋の嵐との対バンを。。。。

赤坂! 色々とお疲れ様です。やはり2マンなんかだと物足りない感じがしますからな。。。尺も設備もいつもより遥かにいいし、新曲もやってくれるだろう。来年に向けて何か新しい発表もあるかもしれない。メレンゲは本当にこれからだ。これから先には期待とその応えしかないですよ。。。しかし観たいと思う人が観られるのはなんか嬉しいっす。

LOSTAGEもよかったみたいで何よりっす。ロストエイジもこれからどんどん報われてほしいよな。次のツアーはもっといいハコでやれるといいっすよね。メレンゲもですが。LOSTAGEもいつか観たいなあ。五味弟。。いつもつい額のあたりばかり見てしまう自分を恥じました。。。

  1. 2011/09/16(金) 12:40:43 |
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  3. 北田斎 #-
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