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小林賢太郎

 ラーメンズが好きだ。小生はお笑いはほとんど観ない。だからラーメンズが許せるんだろうし、ラーメンズ以外が許せないんだろうとも思う。好きな話は「採集」「ネイノーさん」「ドーデスという男」「小説家らしき存在」「鯨」「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」・・・・・・色々あるが、キャラが立っているものと伏線を張りまくったミステリ風などんでん返しがあるものが好きだ。まあ、わざわざ好きなものを挙げるということは、嫌いなものもあるということだが。

 ラーメンズは「自分がエンターテイメントに求めていたものはこれだ!」という強烈なカタルシス(サブライムと言ってもいいかもしれないな)がある反面、観終わった後に強烈な不満感の残る話も少なくはない。不思議だよな。たとえば、アメリカン以外の「日本語学校」はあまり好きではない。「ことわざ仙人」「アカミー賞」「マリコマリオ」「1313」も好きじゃない。「ALICE」は「後藤を待ちながら」「風と桶に関する幾つかの考察」「不思議の国ニポン」以外は嫌いだし、「TEXT」も「銀河鉄道の夜のような夜」以外あまり面白いと思えなかった。なんでなんだろうな。今思いついたが、嫌いなコントとその割合を公演別に割り出して、何故それが嫌いなのかを突き詰めて考えたら面白いかもしれない。まあ、やらないが。

 小生はラーメンズ(というか、ブレーンである小林賢太郎の作るもの)が好きだが、それについて深く考えようとはしてこなかった。面倒臭かったからである。小林という男は、それ自体が決してお近づきになりたいような人間ではない。今この距離感というのは、小生にとって理想に近いものである。こちらからやつのことを観ることはできるが、やつからは全く観ることのできない位置。欲を言えば、「関係者の関係者」あたりが最も理想だろうか。そんなところで当事者たり得ない、つまり現象に一切影響を及ぼさない「不完全な」観測者としてそこにいてみたい。まあ、それは興味のあるもの全てに対して言えることか。

 パフォーマーとしても「作者(author)」としても一流である、見るからに支配欲の強そうな小林と、強烈な個性を持ちながらもどこか卑屈で自我がなく、小林という「作者」の「作品」を忠実に演じる(つまり、その一流の「作品」を演じきる才能があるということだ)「役者」の片桐。小林は片桐を見下しているが、それでいて病的なまでに依存度が高い。小林の「作品」には、ストレートであれかなり捻った形であれ、「小林」と「片桐」が常に登場する。二人の関係性は非常に面白い。普通だったら、考えたくなるよな。

 でもダメなんだ。小林は嘘吐きで性格が最悪で頭の回転が速く、器用で非常にポテンシャルの高いむちゃくちゃ虚しい人間である。やつはそのすべてを使って、その事実を示す。そんなやつについて、もう何も言いたくはない。違うだろ、他にやるべきことはあるだろ。でも、やつはそれを客に見せないように先回りして自分でおどけてみせる。それを貫き通すんならカッコいいが、そうじゃないじゃないか。それってどうなんだ?

 最近のKKPなんかはつまらないしな。。。「トライアンフ」はがっかりだった。「ロールシャッハ」も個々のネタは面白くて好きだが、オチがすっきりしない。どこかで「小林は自分の内面世界をかなりストレートに作品に投げ出すきらいがある」といったようなことを見たのだが、そうだとしたら心配になるな。ちょっと個人的な芸術についての持論には反するんだが。。。。

 でも、「TOWER」は面白かったよ。今からでもチケットが取れそうだから、「THE SPOT」でも観に行ってみようか。







  1. 2011/07/20(水) 10:00:43|
  2. 映画・舞台
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