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『金閣寺』


金閣寺 (新潮文庫)金閣寺 (新潮文庫)
(2003/05)
三島 由紀夫

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 三島が大好きな友人に借りた。ちなみに新潮文庫から昨年出た特装版で、金色の美しいカバーのやつである。三島作品はこれが初読であった。三島というとどうしても情けないイメージが抜けないんだよな。

 それにしても異常に美しい文である。小生は上田敏の翻訳詩が美しくても驚かない。瀬田貞二の文が美しくても驚かない。だが、三島には驚いた。今挙げた人はみんなとても美しい日本語を使う。だが三島はちょっとひねった日本語の使い方をしているんだと思うんだよな。。。この文章だけでこれ以上ないくらい読む価値がある。

 粗筋は語る必要もないだろうから特に書かない。吃音という不具は可視化された精神の不具だなあ。己の不具こそが己のレーゾン・デートルであるという考えは分かる。小生も小学生くらいの頃はそんなことを考えた。だがなんとも惨めったらしい考えじゃないか。なので意識的にそういう方向性を避けた。与えられたものを個性と思うな。無ければ自分で無理にでも作れ。最初は作っているうちでも、そんなものは出来上がってみれば作り物なんかではないのだ。

 三島は書かねばならなかったんだろうな。三島は林承賢だ。三島は山崎晃嗣だ。情けなくてみっともない、あの姿が本当だ。あいつらのようなことをしでかさないように、三島は書かなければならなかったんだろうな。そして溝口は生かさねばならなかったんだろうな。しかしそういう意味で言ったら三島の人生は失敗だな。。。最後の最後であんなにみっともなかったということを考えると苦々しい気持ちになる。

 次は『豊饒の海』でも読もうか。




  1. 2011/05/21(土) 14:58:18|
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  1. 2011/05/22(日) 12:55:35 |
  2. |
  3. #
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ARATAが分からなくてぐぐったのは秘密です

同感ですな。笑
中也が太宰並みに背が高かったら泰子にフラれていないだろうし、大した詩も書けなかっただろうな。。。
そういや先生が言ってましたが、日本人は紫式部を紫の上以上の美人として捉えているというのも面白いっす。『源氏』を映画化すると何故か必ず作者の紫式部が登場し、なおかつ他のキャストは紫式部より美しい女優は出ないという。。。作者を美化するっていうのは伝統的にあるんですかね?
日本人が作者に対して愛着を持ちすぎるのか、割と世界共通なものなのか知りたいっす。
  1. 2011/05/23(月) 23:51:42 |
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  3. 北田 #-
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