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携帯電話と幻滅

 と知り合う時によく面倒くさい思いをするのだが、私は携帯電話を持っていない。ついこの間、とうとう定年間近の先生にまで引かれたところである。

 よく「いい加減、携帯を持て」ということを言われるが、「そもそも電話しない」「あんなチンケな画面じゃ何も見えない」「小さすぎてボタンが打てない」「デカい携帯なんて嫌だ」などという理由で、周囲の親切を完膚なきまでに叩きのめしてきた。ぶっちゃけ携帯を持つ気なんてさらさらないのである。電話の分際でなんでああもアホみたいにこれでもかといわんばかりに機能がたくさんついているのか。ぶっちゃけもうそれ、電話じゃないだろ。名前変えろ。

 もう今ではさしたる理由もなく単なる携帯嫌いである。とにかくどれだけ携帯の性能が上がったとしても、ここまで来ると一種の信条のようになっていて絶対に揺らがなくなる。現代っ子のくせに何故か? それにはもちろん訳がある。

 勝手に師匠だと思っている(本人に言ったところ、「やめてくれ」と言われた)向山貴彦のエッセイ(こんなの)を小学生くらいの頃から頭にしっかりと叩き込んでしまったせいである。この人はむちゃくちゃゲームや漫画が好きで、しかし人間の性能が上がるわけでもないのに機械の性能が無意味に向上していくことに強い疑問を持っていて、こういうエッセイをよく書いている。すげーまっすぐな人だ。だから好きなんだが。

 しかし、こういう思想に子どものうちから染まってしまうと青春が灰色になる。まあ、おおむね青春とは暗いものだが。何しろ、漫画もゲームもやらなきゃ携帯すら持っていないのである。ナウなヤング達には理解できない生き物だったに違いない。今では大分趣味もナウくなったと思うがねぇ。。。

 という訳で、師匠の教えを堅く守って約20年の人生を携帯なしで生きてきたのだが、去年ある出来事が起こった。

 我が師・向山貴彦が待望の新作を発表したのである。タイトルは「ほたるの群れ」。連載小説である。日本語の小説としては実に10年ぶりだ。ファンなら興奮しない訳がない。しかし、記事を読み進めるうちに私は失望した。。。なぜなら、掲載誌が携帯雑誌だったからである。料金は200円。その3,4倍の値段の紙の文芸誌だったら買えるのに。。。その夜は独り枕を濡らした。

 今まで携帯を持たずに頑張ってきたのはなんだったのか。今更そんなもの、持てねえよ。。。そもそも、あのゴマ粒みたいな画面で本当にネットとかやるのか? 齢二十にして時代の流れについていけない。。。。

 しかし、友人にも「不便だ」と言われるし、もういっそ契約しようか。。。まずするべきことは携帯を売っているお店を探すことだな。。。。





  1. 2011/03/04(金) 19:35:19|
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