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血統

 楽を聴いているとふと、血というものについて考える。いや、世の中には誤解して喜ぶ変な人がいるので言い直すが、血筋についてである。

 例えば初恋の嵐を聴いていると、「これはまさにサニーデイの直系だな」などと思うのである。ぶっちゃけあのあたりについては全く詳しくないのでこういうことを言うのもアレだが、個人的に渋谷系というとオザケン・カジヒデキとサニーデイで二分される感じなのである。

 オザケンは出自・教養ともにぶっ飛んでいて「共感し得ない音楽」と最初から構えているからあんなに気色悪くても楽しめるが、カジはそうでないので許せん。単に雰囲気を作っているだけだろ。いや、なんとなくである。

 しかし、サニーデイというとサウンドこそキラキラしているけれども、やっているのはモテない冴えないやつらであって、それ故の滑稽さと苦悩がにじみ出た人間臭さがある。というイメージがある。音楽はよく知らないが、曽我部恵一は「出れんのサマソニ」の件や何かで大分熱い男なんだなあと知って見直した。

 「サニーデイの子どもたち」といったら色々いるんだろうが、あまり知らない。ゴーイングとかもか? メレンゲは血は繋がっているけどもかなり遠い親戚という気がする。曽我部はたしかダブルオーテレサなんかをプロデュースしていた気がするのだが、でもダブルオーよりかは初恋の嵐の方が嫡系の気がする。

 自分から進んでおどけてしまうのは違う気がするのだ。初恋の嵐はその冴えなさが滑稽に映ってしまう、そのことをおどけて乗り切ってしまうのではなく、しっかりと受け止めている。初恋の嵐はどう見ても情けないのに、歌詞なんかは大分男らしい。くよくよと悩むくせに、きっぱりと振り切ろうとする。まあ歌にしているくらいだから多分あんまり実行はできていないだろうが。

 というわけで、初恋の嵐はサニーデイの息子だなあとよく思うのである。オリジナリティがないということではない。同じ魂を受け継いでいるというか。。。まさに親子のようだと思うのだ。


 同じことはフジファブリックと奥田民生にも言える。音楽的にフジファブリックは民生の息子だと。ユニコーン・民生のフォロワーはサニーデイの比じゃなく多い。20後半~30代くらいのミュージシャンを集めたら、10人に9人は愛聴しているだろう。でもこれだけしっかりと血を引いているバンドはいないんじゃないか。

 ぱっと見あまりにも派手に変テコなのであれだが、その実これほど似ているバンドはない。今更言うのもばかげているが、今でもシャッフルして「開店休業」がかかるとユニコーンなのかフジなのか歌が始まってしばらくしても分からない。苦笑 魂が似ている。

 多分、民生の抱える寂しさと志村の抱える寂しさは同質だ。でも民生はそこから目を逸らすのに長けている。やつは知っているのだ。それを直視し続けたら潰れてしまうのを知っている。その反面、志村は真面目で不器用だ。同じことを知っているくせに目が逸らせないんだ、やつは。たまに逸らしてみるけれども、その逸らし方はやっぱり民生似だなあと思う。でも民生の方が何枚も上手だ。逸らせないから志村は吐き出す。もし民生がそれを吐き出したら志村みたいだろうな。ただし、吐き出し方は志村の方が上手いかもしれない。。。

 お互い、それは分かっていたんじゃないか。民生はだからフジをかわいがったんじゃないか。志村の様子を見ていて気がかりだったかもしれないが、自分の血を引いていれば上手くやるだろうと思ってたんじゃないか。。。


 奥田民生は絶対に自分の本心を見せない。見せるとしたら一瞬だ。けれどもこの一年は、その瞬間をよく目にしたような気がする。







  1. 2010/12/20(月) 14:57:12|
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