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フジファブリック presents フジフジ富士Q 17

 韻が消えないうちに上手から現れたのは民生ちゃんである。真っ赤なTシャツに、もう既に夜だというのにグラサンは絶対にはずさないところが何だか憎たらしい。どこまで韜晦したいんだよ。。

 見慣れたTVホワイトのレスポールスベシャルを肩にかけながら、ボソボソとしゃべる。なんか、しゃべり方が志村に似てるよなということを今更思った。

「えー、今日は事務所の稼ぎ頭がここで大きなイベントを開きまして、たくさん来ていただいて、ありがとうございます。。。その、顧問でありますワタクシが、トリを務めさせていただくということで。。。正直最後、嫌なんですけど。。。」

といったようなことを。これからの展開は全部予想できる・・・・・・苦い思いをしながら、その日2度目の『茜色の夕日』を聴いた。


 CDJのリベンジとでもいうように、しっかりと歌っていく。サングラスもあいまって、表情から感情は全く読み取れない。あの時とは違って、音数が多いのでやはり堅実な印象を受けた。民生ちゃんはやり遂げた。きっちりやり遂げた。

 民生ちゃんはずるいよな。全く本当に自己韜晦に関しては天賦の才だ。本当は言いたいことが山ほどあるくせに、いつだって絶対に言わない。よくてほのめかすだけだ。そうやって一生本心を隠して、あんたきっとロクでもない最後を迎えるよ。あんたが志村をかわいがったのは、数いるフォロワーの中でも同じ事務所の後輩だってメリットがあったからだけなのか? 2009年12月28日、あのくそボロボロの「茜色の夕日」は単なる演出だったのか? あんたならあり得るって思えるよな。ふざけんなよ。。。。あんたがよくふっとさびしそうな顔するの、知ってるぞ。腹立つんだよ、いつもいつも平気な顔しやがって! 

 別に民生ちゃんの振る舞いにその日に相応しくないところがあったわけではなかった。しかし無性に苛々した。民生ちゃんがどんな思いで「茜色の夕日」を歌っているのかを考えるとどうしようもなかった。本心を見せたのはあの一瞬だけ。もうあんな民生ちゃんの声を聴くことはないだろうな。でも、CDJとフジQ、どちらも民生ちゃんの歌を(間接的にせよ)聴けてよかった。



 曲が終わって金澤先生を筆頭にメンバー3人が「これからも僕らは頑張っていきます」と宣言して、一礼して去って行った。彼らはそうやって迷える我々の先頭に立って、大きな旗を掲げていく。それはとても大きな十字架だ。でもそれは彼らの誇りでもあるよな。本当に泣きたいやつが、泣く資格のあるやつらがあんなに頑張っているのに、どうして自分らが泣けるんだよな。そんなの、彼らに余計な負担をかけるだけだ。。。

 スポットライトが消えて、「若者のすべて」が流れた。それとほぼ同時に、一筋の煙が空に昇って行くのが見えた。光が弾ける。花火だった。今年最初の花火だった。


 それから後のことで、書くべきことは何もない。そうしてフジQは終わった。








SET LIST


奥田民生  「茜色の夕日」






FUJI FUJI FUJI Q




  1. 2010/12/17(金) 15:08:40|
  2. 音楽
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