inkblot

three people's eyes (make me feel horror)

 。たまにすごい目をしたやつを見かける。その中でも、今までにぞっとするくらい印象に残る目を私は3人見つけた。全員ミュージシャンである。まあ、そういう方面に関心が偏っているからなんだろうが。



 初めて「こいつ怖いな」と思ったのは、BUMP OF CHICKENの藤原基央である。いや、顔も怖いがあれは目つきである。目が極端に悪いのに裸眼のままということを差し引いても、何か異様な感じだ。。。気圧される。視線が触れたものすべてを切り裂きそうな勢いだ。うむ。とりあえず小生の心はズタズタになった。

 しかしBOCを聴くようになって気づいたのだが、その目は優しい光を宿すこともある。あの眼差しの強さは彼の意志の強さ、覚悟の強さである。あれだけ強い目の前に打ち勝てるほどの覚悟なんてそうないんだから、切り裂かれても何にも不思議じゃないよな。なんであんなに強いんだろう。分からない。BOCがあまりに私の中で基準になっていたから、未だに相対化がうまくできない。少し離れてみると、BOCはどこまでも異常すぎるバンドだった。


 そして分かりづらいが、地味に怖いのがSyrup16gの五十嵐隆だ。シロップの知名度がどれくらいのものかは知らないが、暗い鬱病じみた曲が特徴的なバンドである。暗いといえばバーガーナッズやアートスクールなんかもそうだが、あれらはとても虚構的だ。アートスクールなんかはとても象徴的な、独特の耽美的な世界観だが、シロップはどこまでもリアルなのだ。
 
 五十嵐はいつも脱力した、腑抜けた顔をしている。全体的に見れば大して印象に残るような人間ではない。だが、ある日「負け犬」のPVを見てぞっとした。執拗にクローズアップされた五十嵐の目が映るのを見てである。どうしたらあんな風に歪めるのだ。こんな禍々しい目が存在していいのかと思った。多分きっと、すべてのパーツが相殺しあってああいう風に見えているだけなのだ。不吉である。

 しかし彼は絶望の底の底のような歌詞なのに、それでも驚くほど美しいメロディを作る。彼には音楽しかないのに、彼が音楽をやる上で障害が多すぎるのがとても気がかりだ。。。


 最後に書こうと思うのは、フジファブリックの志村正彦である。私がフジファブリックを初めてちゃんと見たのは何かの雑誌である。志村の目は光を跳ね返さないのにすべてを弾き返しているようで、異様だった。大きくて黒々とした目は、物怪じみていて不気味である。「こいつ人間か?」と本気で疑問に思った。目の割合が大きいから、写真だとどうしても見たくないものに目が行ってしまう。なのにたまに買う音楽雑誌にかなりの頻度で載っているので閉口した。

 フジファブリックを聴くようになってから笑ったり恥ずかしそうにしているところが案外普通だったので、やっと志村を人間として認識できるようになった。彼の目もやっぱり彼の信念の強さ、覚悟の強さである。でもそこには強がりや虚勢が混じっていて、時々折れそうになる。彼は自分の弱さを叩き直そうとして自分を追い込んでいるみたいだった。あの強情にはじき返すようなところは、きっと彼の怯えだった。彼の弱さの方が藤原の強さよりも私には分かる。彼の人間臭い弱さの方が。でもそれが薄れた時があったよな。むしろそれが一番怖かった。なんだか抜け殻みたいだった。なんであんな目をしていたんだろう。それは、2009年のことだ。








  1. 2010/11/24(水) 14:19:29|
  2. 音楽
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<キシダ君観察記5 | ホーム | ギンガ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kirschrot.blog40.fc2.com/tb.php/181-bd97e459
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)