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フジファブリック presents フジフジ富士Q 6

の出演者が去って次の出演者が出てくるまでの間は、脚の全細胞が壊死しそうな勢いだった私には、短いながら座席に座ることができたので、なかなか貴重な時間だった。

 クボがハケた後に現れたのは、せっちゃんこと斉藤和義。民生ちゃんに匹敵するグダグダで汚ねえ現在のルックスからは想像もつかないが、昔はバリバリのプログレ少年であったというのは有名である。もしロキノンをよく読む人であったら、バックナンバーの中に若かりし日のせっちゃんの写真を見つけることができるかもしれない。意外とイケメンである。

 そんなせっちゃんお気に入りの曲といえば、あの曲しかないよな。そう思った瞬間、『地平線を越えて』のイントロがコニファーに響き渡った。イントロで高揚した気持ちは歌が始まるとすぐに下降気味になった。せっちゃんは好きだけれども、彼の声はフジファブリックにはあんまり合わないな。奥歯をかみ締めるようにそう思った。


 『地平線を越えて』が終わるとすぐに、「今日危なかったんだよね」と衝撃のMC。

「昨日リハやって、泊まらずに家帰って、今日車でこっち来たんだけどすごい渋滞で、着いたら『桜の季節』始まってた」

「間に合ってよかったです」と先生。

「それにしても、志村君の曲めんどくさい! 歌もギターも変だし。なんでメンバーは止めなかったの?」

「や、止めてもきかないですからね、彼は」

 みんなが苦笑する中、ソウ君が答える。



 そんなMCをはさんで始まったのが、『笑ってサヨナラ』。なんか違う。全然違う。せっちゃんはせっちゃんで、あの顔でものすごくエモい歌を歌うのに、でもそれはやっぱりフジファブリックではない。若干情けなかったり、変態くさかったり、持っているものがかけ離れているわけではないはずなのに、それでも悲しいほど別物だった。

 『笑ってサヨナラ』のあのどうにもならない切なさは、せっちゃんでは再現できなかった。失われたものを取り戻すのではなくて、それは復元の試みのようだった。せっちゃんにフジファブリックを、志村を求めるというのは間違っている。私はクソだ。ああ、だから物販でタオルがほしかったんだ。顔を覆うタオルもなくて、4時間も耐えられる訳がないだろうと『笑ってサヨナラ』を聴きながら、拳を握り締めてそう考えていた。






SET LIST

斉藤和義   『地平線を越えて』
         『笑ってサヨナラ』



  1. 2010/08/19(木) 20:54:16|
  2. 音楽
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