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七色はいらない


 ミュージシャンの名前について考えていて、こういうことじゃないかと思ったので書いてみた。
いい感じの名前がつけられたので満足である。
ポイントはドラマーがかっこいいところである。



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  1. 2015/03/26(木) 01:20:52|
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ノート:空を飛ぶ


 桜が咲くと手紙が書きたくなる。志村のせいだ。

 ところでこの間、宮崎駿の『風立ちぬ』を観た。うちのロマンチックおじさんもよく言うのだが、宮崎駿の作品では必ず「空を飛ぶ」というモチーフが出てくる。繰り返し繰り返し、彼はそれを描く。それは少年の夢そのものなのだろう。『風立ちぬ』を観て、空を飛ぶ夢とは何なのだろうと思った。志村の詞にもホントによく飛ぶモチーフが出てくる。昔めちゃめちゃ数えたからな。

 だが注意深く眺めてみると、なんかどれも実際は飛べていない。あくまで現実は「蒼い鳥」なのである。あんなにいい曲なのに「シェリー」が未発表曲のままでお蔵入りしたのもうなずける。わざわざレコーディングまでして出さなかったのではなく、出せなかったのだ。まだリアルになっていなかったから。あの曲は志村のリアルになりきれなくて、ウソのまま宙ぶらりんになっていたのだ。あの曲がリアルになった未来が観たかった。それはあったんじゃないかと思う。でもそれは今になっては言っても仕方のないことなんだろうか。

 ただね、興味深いことに志村がいなくなった後で、志村のまわりの何人かのミュージシャンが志村を飛ばしているのである。それはどの曲か。奥田民生「えんえんととんでいく」、メレンゲ「火の鳥」だ。あとはGREAT3とかトライセラトップスとかが志村の歌を書いているが、それらには飛ぶモチーフがない。そして3人のフジファブリックはそもそもベクトルが違う。彼らの曲は志村へと向かっていくのではなく、志村から始まっているのだ。フジファブリックにとって志村は絶対に他者にはなり得ない。だから他者としてすくい上げるようなやり方は取りようがないのだ。どうです、かっこいいでしょう、フジファブリック。

 あの鳥を南方の、どこか懐かしい楽園へと飛ばした民生ちゃんと、蒼い鳥を不死の鳥へと生まれ変わらせたクボンゲ。どちらも優れた鎮魂歌(レクイエム)ではないか。なんか若いバンドが「フジファブリック好きです!」とかこぞって言うのをきくと、心の狭い小生は「好きの格が違うんじゃボケェ!!! 好きって言っていいのはこういう人たちじゃボケェ!!!」と思ってしまうので、なんかもうちょい「自分そんなん言える資格ないっすけど。。。」みたいな感じで言ってほしい。まあジョークである。そういうこと言ってる若いバンドもそれなりに聴いてるからね。

 ところで話は戻るが、「空を飛ぶ」ということは志村にとって何なのか。それは逃げ出したいという願望だと思う。逃げるという言葉にすぐマイナスのイメージを見出さないでいただきたい。逃げるという行為は、とても立派で伝統的でなおかつ多くの場合、非常に有効な戦略である。どんな生きものでも、基本戦略は大体逃げることではないか。だから志村も逃げてもよかったんだよ。そう、逃げてもよかった。


  1. 2015/03/25(水) 00:08:17|
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さよなら さよなら 借りてた夢は返すよ


 何しに大学行ってるのかよくわからないが、ライブの予定が着々と手帳を埋めていく。このチケットは取れないかもしれないと思っていたライブやイベントがいくつも行けるようになった。シロップもちゃんと取れたしな。ただなんか心が晴れない。当たり前か。やっぱメレンゲのことばっか考えてしまう。

 すごく微妙な時期のアナウンスだったが、これも考えてのことなのだろうか。まあメレンゲだからなりゆきでこうなったという気もするが。でもフジファブリックから足立が抜ける時、志村は時期や発表のしかたを考え抜いていた。ライブはすべて済ませてからのアナウンスだったよな、確か。それに対してメレンゲはあと二本残っている時点での発表な訳で、これはライブの動員を増やすための閉店商法なのかもしれない。メンバーにとってはとても居心地が悪くなる。もしかして、敢えてなのか。わざとこの時期に、それもヤマザキ本人が提案していたとしたら男気しか感じない。最後の置き土産みたいな。めちゃめちゃかっこいいじゃねえか。。。ま、全部妄想ですがね。

 それにしても無数のドラマーの顔が頭の中をよぎっていく。新しいドラマーが決まってからの発表ならいいが、まあメレンゲだからな。これからかもしれない。マジで自転車操業である。。。困るのは、それだと完全に活動がストップするってことである。せっかくいい調子だったのにそんなのはないぜマジで。だったらもういっそ、打ち込みでライブしてほしい。エレクトロニカはメレンゲの強みだ。そういうライブがあってもいい。とにかく止まらないでほしい。

 ところでそろそろファンも落ち着かなければならない。ツイッターで適当に検索してみていたが、みんな動揺しすぎである。ちょっと落ち着かないか。そんなこの世の終わりみたいにならなくてもいいだろ。よく考えてみてほしい。別に解散した訳でも活動休止した訳でも誰か死んだ訳でもない。とりあえずメレンゲはまだ全然終わってねえよ。考えてみてほしい、フジとかあんなだから。脱退どころじゃねえから。あれはちょっともう奇跡すぎるが、メレンゲも結構いろいろ奇跡起こしてっから大丈夫だろ。そもそもこんだけのクオリティの曲作ってて売れないのも奇跡だし、これだけ売れてないのに一回もメジャーレーベルから契約切られてないのも奇跡だし、今までヤマンゲが辞めなかったのも奇跡である。というか、こういう時にファンが動揺していてはだめなのだ、よりによってメレンゲファンだからな。もともとメレンゲはファンの上に寝っ転がって「ほら、早く運んでくれよな。。。みんながちゃんとやってくんないとオレ落ちるからな。。。」とかほざくレベルで他力本願なバンドなので、残念ながらこのグラグラバンドを支えるべき時は今である。南無。まあなんか戻れない所まで来てしまったそこのあなたは諦めて励みましょう。ところで『サーチライト』と『星の出来事』がいろんなところで取扱終了になってるので、シングルのデータ配信とあわせてワーナーに再版のメールを送らないか。こういうのはより上の部署に人海戦術で訴えるに限る。小生? もうメールしたに決まってんだろ。。。ちなみに問い合わせ先はこちら

 何やってんだろうな。こういうことは趣味じゃないんだが、やっとかないと後で後悔しそうだしな。。こんなつもりじゃなかった。でもなんか心の足りてない所にうまい具合にはまり込んでるので困る。辞められたり止まったりするともっと困る。クボンゲ、頼むぜ。なんか変なことばっか言ってしまうが、本当は感謝もしてるし尊敬もしてるんだ。あなたにしか抱え込めないものはたくさんあるから、それ以外のところでは別に頼ってくれてもいい。

 しかし27日は近いようでなんか遠いな。。。小生はロフトに超新星を観に行こう。光ってはいるが、そこには大事なものがもうない。でも消えそうなくらい強く輝いているはずだ。借りていた夢は返しに行こう。そして改めて自分の夢を彼らに預けよう。もうとっくにベットしてるし、今さら賭け金を引き去ろうとも思わない。正直どうでもいいから早くライブが観たい。



  1. 2015/03/18(水) 23:15:38|
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笑ってサヨナラするため 間違い探しをしようか


 メレンゲからドラムのヤマザキタケシが脱退することが発表された。4月24日のワンマンをもって脱退。思わず、「なぜ今さら!」と声を上げてしまったが、ホントに体が冷たくなった。クボンゲがクズなのは今にはじまった話じゃないだろ! たしかにクズだけど、やる時はそこそこやるからクボンゲも! だから行くなよ!! ・・・少し落ち着こう。長いけども、まずはメンバー三人のコメントを引用してみようか。



ヤマザキタケシです。
少し長くなりますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
この度、皆様にこの様な発表をしなければならない事を
大変残念に思っています。 メレンゲの立ち上げから約14年間、
僕はこのバンドに、自分の全身全霊をかけて臨んできましたし、
一生続けていくつもりでした。
僕はこの3人でメレンゲである事に誇りを持っていました。 しかし、メンバー間の個性や価値観の違いが、
時間の経過と共に徐々に違和感に変わっていきました。
良いと思える物を共有できなくなってしまったのです。
自分が、脱退という決断を下さざるを得なくなった時、
僕は正直悔しくて仕方ありませんでした。 しかし、その後自分としっかり向き合う中で、
やはりドラムという楽器が大好きという事、
そして、メレンゲという枠が外れた場所で
ヤマザキタケシ個人のドラムの可能性を試してみたい自分がいる事に気付きました。
だから、次への一歩を踏み出していこうと決めました。 皆様には本当に本当に感謝しております。
ありきたりな言葉になってしまいますが、今まで本当に有難うございました!
最後になりますが、2人でのメレンゲの音を
皆様と共に静かに見守っていきたいと思っています。

ヤマザキタケシ  

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この度は突然の発表で驚かせてしまい申し訳ありません。 メレンゲが3人のバンドになり10数年。活動を続けていく中で、
メレンゲの目指す音楽像に対し、徐々にズレが生じてきていました。
そんな中でも最高の形を目指し、真摯に向き合いながら作品を作ってきました。 CAMPFIREというアルバムを完成させ、ツアーを終え、
改めてメレンゲの今後とこれからの人生を話し合いました。
お互いの音楽性に正直に、真摯に向かうことがバンドにとっても
個人にとっても幸せだと考え、別の道を歩むことに決めました。 メレンゲはこれから新たな形で活動していきます。
今までと同じように、とはいかないとは思いますが、
今まで応援してくださった皆さんの期待を裏切らないように、
僕らの信じる音楽を作っていきます。
これからもメレンゲをよろしくお願い致します。

タケシタツヨシ  

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突然の発表申し訳ありません。
十数年一緒にやってきたヤマザキとメレンゲは別々の道を歩む事にしました。
一緒に歩んできたとてつもなく長い時間は振り返れば
あっという間のような気がしています。 こうやって文章にする以上、その理由を説明しなきゃと思うのですが
やはり音楽を一緒にやっているなかでのお互いに思う感覚のズレが
次第に大きくなってきたという事です。
ここまで長くやってきて今更かという声もあると思います。
あるいは歩み寄って頑張り続けたらその先に見える
何かというのもあったかもしれません。
恋愛みたいなものでそれが何年かして後悔という形で僕に襲いかかるかもしれません。
ここまで長い時間をかけて作り上げた関係です。僕自身も相当考えました。
それでもやはりお互い別の道で頑張ろうという決断に至りました。 ありきたりなことしか言えないですが
これからのヤマザキタケシとメレンゲをどうぞよろしくお願いします。

クボケンジ




 三人のコメントを読むと、音楽性というよりは「メンバー間の個性や価値観に対する違和感」、「音楽を一緒にやっているなかでのお互いに思う感覚のズレ」が原因ということらしい。そう考えるとたしかに思い当たる節はある。ヤマザキはバンド内のキャラ立ちに悩んでいたのではないか。もちろんこれは個人的な憶測でしかない。バンドの顔であるクボンゲはそもそもキャラ立ちまくっているし、漕ぎ出した瞬間に沈没するクボンゲのMCの救世主であるツヨンゲはもともと常識人だしキャラは地味だったが、最近ナカザ化に成功してなんか独特のキャラを獲得した。ゴーイングアンダーグラウンドのタレサン・ギタリストのポジションがおいしいのかどうか、疑問だがまあ目立つのは確かである。そりゃライブで手品やり出したらいやでも目立つ。ツヨンゲは目立ちたがり屋だからまあいいのだろう。ただヤマザキも自己顕示欲はそこそこある。いつだったか、コメント映像でめんどくさそうなクボンゲが「じゃあリーダー、シメをお願いします」とふられて嬉しそうにしていたのが印象に残っている。いつからか覚えていないが、ライブでは最後にボーカルマイクでライブを総括するようなMCをして去って行く。でもしなくなった。そもそもライブ中のMCはクボとタケシタのやり取りで終始してしまう。誰かが入り込む余地がない。キャラ立ちが上手くいかず自己顕示欲をもてあましていたら、「ドラム以外に存在意義のない自分とは何なのだろう、サポートメンバーと変わらないのではないか」と悩むのは不思議ではない。こればっかりはとても難しい。技術はなくても愛されるミュージシャンもいるし、他のことはぱっとしなくても技術は本当に素晴らしいミュージシャンもいる。難しい。

 しかしここまでフジファブリックをなぞるのかという思いだ。前にも散々書いたが、フジファブリックとメレンゲのキャリアはほぼ相似形なのである。2006年3月、フジファブリックのドラマー・足立房文脱退。同じだ。見えるんだ、「もう一度だけあわせよう」と言って最後にメレンゲの曲をやって感極まって泣くんだろう。。。いや、やめよう。これ以上は言うまい。だが、新たなドラマーを探さなければならない。公式サイトの「卒業」という表現がなんか引っかかるが、卒業ならばサポートとして当面やることもないだろうな。ヤマザキほどの技術があって、かつクボンゲがコントロールできるドラマーでなければメレンゲのドラマーは務まらないだろう。畑利樹、、すげーいいドラマーだけどコントロール不能だから無理だな。あとはゴーイングを抜けたばかりの河野丈洋が一番ありそうだ。彼のしなやかなプレイスタイルはクボ好みだしな。サポートでしばらく河野に頼むのが一番無難そうだが、まあ所詮妄想である。

 それしても、残されたクボとタケシタは大丈夫だろうか。ただでさえ、去年ガラにもなくがんばった疲労はたまっているはずなのに、それに加えてこれだ。ぶっ壊れないでほしい。タケシタも二人になってクボの世話でいろいろためこまないか心配である。もうこの際、皆川神かジュンマツエに加入してもらおう。おれ、じつはひそかにクボンゲとジュンマツエが並んで写ってる写真を集めてるんだ。。。だって巨人とリリパットが並んでるとすげー面白いだろ。。。松江さんのギターすげーかっこいいし、松江さんいるとクボンゲも落ち着くので末永くいてほしいものである。。。

 ああ。。。ずっと別れ話をしてたと思うと、さかのぼっていろいろなことが違う意味を持ってきてしまう。そういやここ最近ヤマザキは妙な顔してたな。なんだろうとは思ったけど、分からないからそのままにしていた。クボンゲが最近ライブで荒ぶっていたのもなんか情緒不安定だったんかなと思えてくるのでやめてほしい。

 去って行く者に石を投げるようなことはしない。色々なものをもらった。けれども、あと二本のライブをどんな気持ちで観たらいいだろう。志村は「脱退は離婚みたいなもの」と言っていたが、ファンからしてもまさにそんな気持ちだ。そこそこ仲の良かった叔父さんが少ししたら赤の他人になると言われたような感じ。明日から他人になる人をどんな気分で観たらいいだろう。まあファンはいいが、ヤマザキ本人は針のむしろだろうな。まさかドラムやめるからってメレンゲ観に行くのをやめる人もいないと思うが、とにかくあと二本、観れそうだったら観ておいた方がいい。これから先は全く分からない。オリジナルメンバーで10年20年やれるバンドは幸せだ。でもそれが全てではない。移籍後、考えられないような好調なペースでリリースを続けて、今年はまたライブも本数が増えそうないい調子だった。そこへ降ってわいたこの発表は不安要素しかない。でも小生はこのバンドに賭けたい。なんでか分からないが、好きになっちまったんだ。あのテレキャスを掲げてしまったのだから、後戻りはできない。お願いだ、今とまったら壊れてしまう。すりむきながら前へ進んでくれ。できることならするから。


  1. 2015/03/14(土) 02:03:35|
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滅びへと今もパレードは続く


 東日本大震災から四年である。何かを思い浮かべる時は大体色のイメージだ。四年前の今日の色はよくおぼえている。淡紅色と机のニスのうすい飴色。あの日から確かに世界は滅びへと舵を切った。だから3月11日は幾重にも墓標だ。本当は滅びのはじまりであるとともに、いくつもの可能性ももたらされていたけれど、大体あっけなく潰えてしまった。選ばれなかった可能性への期待感と叶わなかった失望はまだ胸の内で生々しくよみがえっては消える。

 私は東北も原発も惨状も復興も結局大して知らない。ささやかな募金以外、ボランティアも何もしていない。語るべき言葉も何もない。けれどもやはりこの日ばかりは胸がざわつく。これをうまく語る言葉がほしい。何かは分からないが、目を凝らして耳を研ぎ澄まして脳みそを絞りつくさなければいけないものがそこにあるのは分かっている。

 BUMP OF CHICKENの「パレード」を聴いている。これは今日この日のための歌だ。もはやまともな日常を繋いでいたまやかしはずたずたになった。その裂け目から覗いているおぞましい現実を見よ。ばかばかしいパレードが続いていく。『はてしない物語』で虚無へ自ら呑み込まれていく人々の一群のように、今世界は間違いなく滅びへと狂乱のパレードを進めている。生存戦略を取らなければならない時がきた。生きなければならない。生き抜いて次の世代も生かすためにはどうすればいいのだろう。



  1. 2015/03/11(水) 23:44:33|
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