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金木犀

 金曜日からずっと、取りつかれたように金木犀の匂いがしている。姿はほとんど見かけないのに、匂いだけはどこまでもついてくる。しかし、これもひと時の儚い慰めだ。そのうち気まぐれな雨が知らん顔で、街から洗い流してしまうだろう。そうしてから切なさが、未来になって今を塗り替えていくだろう。
  1. 2014/09/30(火) 07:19:51|
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20140924

今日書くことは何もない。
人じゃないけど家族が死んだ。
今日言えることは何もない。



  1. 2014/09/25(木) 22:57:11|
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犬が吠える

 syrup16gのライブを観て来た。解散した時は、高校に上がったくらいだったと思う。勿論、ライブは一度も観ていない。五十嵐のライブは観れても、シロップのライブを観ることはないだろうとどこかで思っていたから、念願が叶った。なんだか言葉にしたくないような気持ちではあるが、、、そう、ぶっ飛んだ景色だった。

 シロップというと、鬱バンドというイメージが強いだろうと思う。確かにド暗い。歌詞は精神の病に彩られて暗い。声は音程を裏切ってうわずっていく。それをごまかすように、捨て鉢にシャウトする。だがそこにあるメロディははっとするほど美しいのである。歪んでひしゃげたギターのリフがキラキラと瞬いてうねりを作る。もうそれだけでいい。それだけで全てが救われている。

 でも、どん底に寄り添ってくれる美しい音楽って本当の救いなんじゃないか。そんな毎日気軽に聴けるような音楽じゃなくたっていい。毎日聴かなくったって大事なものは大事だ。

 解散前と比べたら、歌もギターも腕は落ちている。でも最高だった。あれだけボロボロにされて、正気でいることに耐えかねて無理矢理酩酊していた、何年も家から出ることすらできなかった男がこうしてステージに立っていることの壮絶さ。でも歌うことが本能なのだ。生きている限り、五十嵐隆は歌い続けるだろう。蹴られたってどうせやめることはできない。止めようとしたってどんどんあふれてくる。

 MCはほとんどしなかった。飢え、狂喜するオーディエンスの物凄い声はもしかしたら怖いものだったかもしれない。名前を呼ぶ声にまぎれて、能天気に放り出された「今日暑いっすねー」という声に、やや遅れて「・・・いや、結構寒かったと思うよ」と返した時と、アンコールくらいになって、「こんなに盛り上がってなんて言ってないよ。。。苦笑 オレ、もう声つぶれちゃったから。。。苦笑」とぽつりと言った時くらいか。あとバンド名を名乗ったくらいだ。おずおずと話すような感じで、どことなく常に人の目を観ないようにしているような雰囲気があった。でもいつもより曲にしがみつくように歌っていた、オーディエンスの期待にこたえようと、声をつぶして歌っていた。「生きているよりマシさ」なんて、Aメロほとんど声が聴こえなかった。でも本当に期待にこたえてくれた。シューゲイザーという言葉の通り、靴を見つめるように俯いてギターをかきむしっていた。歯が見える。笑っているようにも見えたが、そうではない。多分苦しくて歯を食いしばっていたのだ。

 あともう余裕がなくて気付かなかったんだと思うが、大樹ちゃんが何か言いかけた瞬間ギターを弾き始めて、諦めてドラム叩き出すのが二回くらいあった。・・・うーん、どっちも悪くねえ・・・! お互いに相手のことを大事にしているのに、どこか噛み合わない感じがシロップである。それから五十嵐の髪型ってつっこんでいいのかあれ。おかっぱっていうかなんか丸いよな。志村だったら違和感ないが、五十嵐だと新鮮である。

 ネタバレあんましないつもりだったが無理だな。一曲目はやはり「Share the light」だった。黒い低音がとぐろを巻く。もうそこからぶっ飛んでいる。「神のカルマ」。「Stop brain」。もう何を言うのも無駄な気がする。後半、「リアル」の最後のシャウトが本当にクソダサかったが、もうすげー輝いていた。後半の場の雰囲気がとてもよかった。全然暗くなかったな。

 犬が吠える。虐げられてどこかへ逃げて行った犬が、ようやく戻って来た。まだ人は怖いか。怖くたっていい。声を聴かせてくれ。その声を目印に、キャラバンは続いていく。


  1. 2014/09/20(土) 11:34:13|
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