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20140224


 『FAB BOX Ⅱ』が出る。渋公と富士吉田凱旋ライブがとうとう形になる。この二つのライブはフジファブリックの歴史の中で最も重要なものである。渋公の方はノーカットで二度ほどテレビに流れたし、富士吉田の方は『sugar!!』及び『FAB BOX』に一部収録されていたが、こうしてDVDとしていつでも手に入るものになるというのは大きな意味を持つ。本当なら真っ先に、何よりも先にリリースされていてもおかしくないものだったが、やっぱ大物は満を持して来るものなのかもな。とは言え、やっとか。出ない訳はないとは思っていたが、やっとか。

 そうやって浮かれていたら、「『FAB BOX Ⅱ』は死人商法じゃないか」「フジファブリックはJOY DIVISION(がNEW ORDERになったよう)になればよかったのに」という意見を見かけた。なるほど、フジファブリックをのめり込むことなく普通に聴いていた人はそう思うのかもしれない。でも志村をイアン・カーティスにはしてくれるなよな。カーティスは精神的に完膚なきまでに負けた。屈した。だが志村は違う。肉体的にはもたなかったのかもしれないが、心はまだ負けていない。折れ切ってはいない。いつ折れてもおかしくなかったが、でも折れなかった。フジファブリックはニュー・オーダーにならざるを得なかったジョイ・ディヴィジョンでは決してない。ジョイ・ディヴィジョンはジョイ・ディヴィジョンではなくなってしまったからニュー・オーダーになったのだ。フジファブリックもフジファブリックでなくなったのなら、バンド名を変えるなり解散なりしていたはずなのである。あのね、流石にバンドもファンも何も考えずに志村の死をスキップしながら踏み越えてきたりした訳ではないのである。軽く考えないでいただきたい。

 いや、なんだかちょっと頭に血が上ったが、言った人を責めている訳ではないのである。小生だって割とおおむね誰とでも仲良くなりたい。だがこういう風に思う人は結構いるんだろうな。しかしこれは自分で怖いと思っているのだが、本当の意味で夢中ではないものについて何か言う時、夢中な人からしたらあり得ないようなことやどうしようもないことを簡単に言えてしまうということがある。小生もすでに気付かずにやっているだろうし、これからもやってしまうだろう。一応気をつけてはいるつもりなんだが。いやしかし怖ろしい。

 話を戻す。フジファブリックは志村による志村のための志村のバンドである。フジファブリックは本質的に何も変化していないから、現在もフジファブリックである。つまりフジファブリックにおいて、志村は生物死を迎えてもなお機能していると考えられる。という前提を置く。そうすると、10周年を控えて華々しく志村の思い入れの強いライブが、特別な仕様でリリースされるのは当たり前なのである。おいしい所は全部志村が持って行ってよいのだ。だって志村のバンドだからな! 他のメンバーもそれが嫌なら今の今まで残っていたりはしない。そこまでバカでも能無しでもない。

 しかし志村よ、あんたのことをよく知らない人もこれを手に取ったりするのだろうよ。なんだか不思議だな、そうは思わないか。でもリリースは楽しみだ。封を開けるのは簡単だ、渋公も楽しく観られるだろう。もう何回も観たしな。けれども凱旋ライブはちょっと辛いかもな。いや、観るけどね。だが誰もいない場所で観ることにする。



  1. 2014/02/24(月) 13:58:51|
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2014.2.14 メレンゲ 初恋の集い live at 渋谷公会堂 その2


 明日最後の山場なので妄想ばかり逞しくしている。。。メレンゲがsyrup16g「水色の風」をカバーしたら俺得でしかないなとかな。楽しいことだけ考えていこう。つうかまず明日早起きできるかが心配である。頼れるものはもうオキントスと目覚まししかねえ。。。。。という訳で今日は短めにしておく。返信も余裕のある時に。






 続いて冷たく硬質なピアノの音がポロポロと零れ落ちていった。なんだろうと思ったが、歌が始まってハッとした。「カメレオン」じゃないか。アレンジが変わっている。これ聴いてもいいのか。声が張り詰めている。ふと、今までよく見えなかったギターが初めて人の頭の群れの間からはっきり見える。テレキャスなのは分かっていた。照明の加減で色がよく分からなかったがここでようやく気付いた。蒼ではない。黄色だ。なぜ気付かなかった。いやそれよりもこのギターは一体何だ。そりゃあ動揺だってする。クリーム色というか、近くで見ると蜜のような色のテレキャスター。いや、今それはいい。とにかく「カメレオン」は素晴らしかった。音源は大人しすぎる。この曲は生で聴かないとダメだ。「戻りたいんだ 戻れなくなった」というあたりで間違えて一番の歌詞を歌っていた。いきなり歌詞飛ぶとホントに訳が分からなくなるよな。よく分かるぜ。

 また暗闇の中でギターを置く。薄靄の中でマイクに手を伸ばす。スモークと立ち上るシンセが生み出す淡い靄に同じような声が含まれていく。「untitled」。こういうボーカルの良さが引き立つ瞬間は本当に素晴らしい。ベースが脈打つ。「夢の続き」が始まる。この曲をライブで聴くのも本当に久しぶりだ。クボは大分ハンドマイクに慣れてきた。でも初めて演ったのは三年前なんだもんな。疲れてどこか大人びた曲がサビで鋭く感情を顕わにする。クボは曲が終わるたびに「ありがとうございます」と言うか、一礼していた。

 しかし渋公でハンドマイクの曲を聴いていると色々思い出す。『アポリア』を出した前回の渋公、あの時期はかなりエレクトロ寄りのアレンジで「東京」や「星の屑」をやってくれたが、今思えば贅沢だったよな。また切実にあれが聴きたい。「スターライト」もよかったな。。と思っていると、『アポリア』期のものではなく、音源とも少し違うアレンジで「東京」が始まった。抑えた音数で都会の蒼い闇を浮かび上がらせ、そこに次第にタルホ的な近未来めいたつややかな夜景がともっていく。序盤あたりの声が空気をゆっくりと支配し、新しい空間を広げていく感じが素晴らしい。声が余白を設けることで、余計に想像力を掻き立てる。「そこで妄想」、その言葉と余白でイメージが変化する。音源よりも音が生み出す像が細やかになっている気がした。クボはマイクをマイクスタンドから取り、動きながら歌う。どのアレンジもいいな。星下りのアレンジもまた聴かせてほしい。

 クボがローディーの持ってきたテレキャスを手に取る。皆川神が鼓動のようなシンセをどくどくと鳴らす。「ミュージックシーン」。ボコーダーはなしだ。二番から加速する。声が制約を解かれたように感情で張り詰めていく。

「本当に君はいないのかい まだ まだ まだ!」

 これだ。これが聴きたかったんだ。今歌いたい歌い方だと抑えつけるしかないのかもしれないが、善し悪しである。あなたは志村ではないからな。曲が求めている時は自然と声が張り詰めてしまうじゃないか。押し殺すのはだめだ。分かってるんだろ? わざと似せなくたってあなたのやり方に面影は十分ある。しかし、これだけの歌詞を書く力と音を構成する力、そしてこの声が揃っているというのはなんというか……凄まじいな。
曲が終わってからもこっちは圧倒されたままでいるが、本人たちは今のグルーブが嘘のように気の抜けたMCを始める。


クボ:(頼りない声で)えー。。どうですかね。。。積もってますかね。。。ソト。。。。

タケシタ:うん。みんなほら、ライブどころじゃなくなっちゃうとアレだからね。

クボ:はは。・・・うん、、、でもボクももう帰れないっすよ。。。電車とか、もう止まっちゃうんじゃないすかね?

タケシタ:俺も帰れない。笑 


 クボはやたらと鼻をぐずぐず言わせている。鼻の頭もちょっと赤みが差しているように見えた。花粉だろうか。今日はそんなに飛んでる感じはしないが。風邪気味なのかもな。




つづく


  1. 2014/02/19(水) 19:12:49|
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2014.2.14 メレンゲ 初恋の集い live at 渋谷公会堂 その1

 ナタリーのあれがライブレポか。なめてるな。







 さて、雪である。朝から降り出した粉雪は地に落ちてシャーベットのようになっていたが、13時頃にはとうとう積もり始めた。あわてて家を出たが滑る。自転車でも滑ったが歩いても滑った。よく考えてみれば、海育ちなので雪の道を歩いたことって今まで数えるほどしかないんだよな。スケートはあるがスキーも行ったことないしな。雪の上を歩くのがこんなに難しいとは思わなかった。

 国鉄なんかハナから信用してないので私鉄を乗り継いで渋谷まで行った。亀のように遅かったが、こんな天気でも動いていてよかった。こういう人が生活していく上で欠かせないインフラは止まれば罵られてもなかなか感謝されることはない訳だが、でもそういう部分をどれだけ想像できるかっていうのは大事なことだよな。

 渋谷は真っ白だった。薄汚い街は雪が降ってもやっぱり薄汚い。踏み固められて水たまりと氷のようになった坂道を上っていく。歩道に凍りついた雪のなれの果てをこそげ取り、車道に捨てている人を何人も見たが、車道に捨てたら危ないだろうと思った。

 渋公は物販が開いていた。そんなに遅い時間ではなかったはずだが、Tシャツは売り切れが出ていた。前の渋公の時は結構余ったので少なめに作ったんだろうかと思ってしまったのが悲しい。でもそうっぽいよな。。。この感じだとほしい人がほとんど買えなくなる感じである。ううむ。。。しかし、ここのところ山場なのでなかなかライブに頭を切り替えられなかったのだが、物販で流れ続けている『クレーター』『シンメトリア』を聴いてだんだんテンションが上がってきた。いよいよか。

 適当に時間をつぶして開場である。自分の席を見つけるとやっぱり微妙な席である。だがまあ問題ない。静かなインストが流れている。メレンゲのSEはいつもいい感じなので曲名とか教えてほしいよな。ステージの上には機材が並び、背後には白く薄い輪を柱のように吊るした照明機材が何本も超現実的にそびえている。今回は不思議と腹は痛くなかったな。冷静だった。多分もう大雪が降っている時点で日常から非日常に引きずり込まれているせいだろう。ローディーが楽器をチェックしていたが、ボーっと考え事をしていた。カメラが何台も入っているな。ぶつ切りの映像はもういらない。まとめて塊でくれよ。

 18:35。清澄なピアノ曲が流れ出して、天使の輪のような柱が徐々に蒼い光を放つ。唐突さはない。客電がゆっくり翳っていくのと反比例して光の柱は輝いていく。拍手が起こった。下手からタケシタが出てくる。笑顔だ。着ているシャツは普通の白いシャツでその上に臙脂のチョッキを羽織っている。普通におしゃれである。達身、皆川神、ヤマザキと出てきて、間をあけてからクボが現れる。サポートの二人は黒っぽいシャツとズボンにハットである。ヤマザキは紫と白の太いボーダーのセーターか何かを着ていたな。クボは黒地に白い水玉のリボンを巻いた茶色のハット、麻っぽい襟のないシャツに小豆色の長いカーディガンに太い縦縞の入った灰色の半端丈のズボン、革靴といういでたちである。それぞれが位置についたり楽器を手に取るなか、クボはギターを持たず、後ろを向いて両手を合わせて手持無沙汰そうにしている。

 ピアノのSEから緩やかに繋がるように皆川神が透き通ったピアノのリフを弾き始める。聴いたことのないアレンジである。ピアノが聴きなれたリフを弾いた。それに乗せてクボがマイクに向かう。「アオバ」だった。スモークが背景に不思議な影を生み出している。クボはまだ本調子ではなく、いつもよりも音を外し気味だが久しぶりのライブが今始まっているということに感動した。心配しなくても嫌でもここから鬼のように上がっていく。二番あたりでクボはアコギを手に取った。新調した方ではなく、前から持っている飴色のやつだ。

 「ありがとう」と言う言葉がポッと闇に浮かびあがったと思うと、ベースが軽快に滑り出す。「クラシック」だ。オレンジ色の光があふれ出す。クボの歌い方はどっちかというとちょっと詰まったようないくらか苦しそうな歌い方である。視線はちょっとキョロキョロしているが、緊張しまくっている感じではない。腹を括ってきたな。「極東の先の渋公へと」と歌詞を変える。

 ギターをアコギからテレキャスへ持ち替える。鋭く切り込むように始まったのは「午後の海」だ。声がちょっと張り詰めてきたような気がする。サビ前のシンセの存在感が凄まじい。この曲はやっぱり鍵盤に耳が行くな。開放的な曲の勢いのままで次の曲へ転がり込む。「ラララ」だ。Aメロの低めのキーが出しづらそうで詰まった感じである。こういう歌い方だと、ボーカルが随分幼く聴こえる。喉のコンディションもそれほどいい訳じゃないのかもしれない。ヤマザキがめちゃめちゃ笑顔で叩いている。こんないい笑顔なかなかできないぜ。なんかかわいい笑顔である。あとタケシタは普通にイケメンである。大人しくしてればこんなにイケメンなんだな。。。背高いしな。クボは後半歌詞を盛大に飛ばした。歌詞がどこか分からなくなって舌を出してごまかし笑いをしながらタケシタを見る。タケシタのコーラスだけになって大分面白かった。

 明転して、MCが始まる。

「どうもこんばんは! メレンゲです!」

 クボが声を上げる。照れているのか何なのか、ニヤニヤしながら「えー、(強調して)本当に、足元の悪い中、来ていただいてありがとうございます」と口にする。


クボ:さっきソト見たらホント真っ白っすね。

タケシタ:(うなずく)うん。ね。

クボ:・・・えー。。。でもボクはホントにみなさんを、楽しませたいなと。思っておるので、、どうぞよろしくお願いします。(拍手が起こって)ありがとうございます。


 助けを求めずに一人で言うべきことを言えたのは偉い。まあぶっちゃけちょっとつまんないけどな。

 そこからシンセの音が膨れ上がる。「君に春を思う」だ。非常に新鮮に音が響いた。この曲はいつだってそういう空気を持っている。春のこういう空気を切り取るソングライティングの手腕というのに改めて素直に驚く。クボが声を放つ。まだ出きってはないがよくなってきた。




つづく

  1. 2014/02/15(土) 22:24:38|
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20140214

ウソだろと思ったが大雪である。
嫌でも忘れられないな。笑 
メレンゲ渋公行ってくるか。。
終演後電車が止まってたら誰か助けてください。苦笑 


  1. 2014/02/14(金) 14:01:28|
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20140210

 明日は山場その1である。今日バイトを入れた数週間前の自分を殴り飛ばしたい気持ちでいっぱいである。あと明後日のレポートが終わってないので割とヤバい。とりあえずやるしかないな。


  1. 2014/02/10(月) 10:25:20|
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