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『シンメトリア』ディスクレビュー

 
 メレンゲのレーベル移籍後二枚目のシングルである。A面の「シンメトリア」はWOWOWドラマ『LINK』の主題歌である。やはり前作と同様に、A面は疾走感と浮遊感を併せ持った美メロのロックチューンでよそいきのメレンゲで、B面はA面で「求められているもの」を出した分、別のメレンゲらしさ、本性をさらけ出す曲という構成になっている。

 「シンメトリア」は久しぶりにファンタジー色が強い。「今すぐ行くよ 嫌がられても そこら中を引き連れて」という歌詞や疾走感がなんとなく「July」を感じさせる。「July」はライブでのリクエストもそれなりにあった曲だし、「求められているメレンゲ」の曲作りの際に参照された可能性はゼロではない。

 「I need you」「ルッキンフォーラブ」といった恥ずかしいワードはまず(前者は発音、後者は表記が)カタカナ化され、さらに「愚かさ」「安い」という言葉をかぶせられることでボロボロになっている。クリシェの確信犯的な使い方の巧さはやはりクボである。

 しかしクボの書く女の子はかわいい。ヤバいくらいかわいいので、ぜひ小説を書いてもらいたい。とか言ってホントは前から書いてたりするんだろ? 見せてくんねえかな。CAMPFIREで10万くらい出したら掌編かちょっとした短編あたり読ませてもらえるだろうか。。。長編はすぐに飽きて書きかけのやつが溜まってくタイプだろうな。でも掌編・短編はストックがありそうだ。

 PVの女の子はかわいかったが、イメージとは大分違ったな。。「シンメトリア」の女の子は弱虫だけど勝気な女の子なのだ。絶対そうだ。ところでPVで船に夥しい数のスカート吊ってるのは突っ込み損ねた。だが看過されてよいことではない! 

 どちらの曲もギターに本来鍵盤が担うべき音を弾かせているのが面白い。「ギターの音を目立たせなければならない」という頭があるんだと思うが、非常に鍵盤的である。しかし「ライカ」のギターはくそカッコいいな。「ライカ」はメレンゲ流の「地平線を越えて」という気がする。ちなみにパントマイムの人による「ライカ」のおもしろコーラスが聴けるのはライブだけなので、とりあえずまだ渋公のチケットを持ってない人は買いましょう

 頼んでもないのに少し与えられて 後は追い立てられてこんな所に来てしまった。いつだって泣きべそ顔で運命に腹を立てていた巻き尻尾の犬は、色々あって「これが自分の望んだ世界だ」と受け入れて歩き始めた。のかと思えば本音は「夜が明けたら そこから 何か始めようと」なのである。クボさんが強がりばっか言い続けられる人じゃなくてよかったと思うぜ。

 そして詩集である。とてもよかった。普段声のかわいさにまぎれて分かりづらくなっている鋭さがはっきり出ている。これはむしろ曲にならなくていいんじゃないか。古い詩と新しい詩が混じっている。新しい詩はどこか大人びている。

  1. 2013/11/28(木) 19:35:31|
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CP対称性の破れ

 
 
 ――父を失った原始群の子供たちは、すべて、敵対する兄弟たちである。彼らは、もはやほんの少しの同一性もないほどに互いに酷似している。彼らを他から区別することは不可能である。もはやそこには、みな同じ名前の同じ服装をした一群の人々しかいないのである。(ルネ・ジラール『暴力と聖なるもの』)


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 これはたわごとなので、真に受けないでほしい。

 今年割とずっと考えていた。「ドッペルゲンガーに出会うと死ぬ」というフォークロアがあるが、それは文学でもしばしば登場するルールである。アルターエゴはしばしば殺され、消され、死ぬ。反物質は物質に出会うと消滅する。どうやら世界の約束事っていうのはそういうことらしい。同じやつは同時に居てはいけないと、そう世界は言いたいらしいな。

 ふっと頭をよぎるのは志村とクボである。あの冬の寒い日に一人は息絶え、一人は生き残った。嫌な思い付きだ。すぐに打ち消すべき思い付きだ。だが、「生き残った」ことに善い意味を見出せないかと思ってしまった。生き残ったということはもう当分死ねないということだ。もう一人より色々なものをうまくすり抜けてここまで生き残って来た。今更嫌だとは言えない。頼んでないのにと言ったってもう遅い。死ぬまでやるべきことをやるしかない。もう一人から受け取った分まで。出来るから生き残ったんだろう。

 だがこれはやはりすぐに忘れ去るべき思い付きだ。まだちゃんと調べていないから、落ち所もない。ただ宙づりになった疑問が時折頭蓋にこだまする。

もし彼らがドッペルゲンガーだったとしたら? 
もし彼らがドッペルゲンガーだったとしたら。




  1. 2013/11/24(日) 22:30:55|
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20131121

 卒論が全然書けない。レジュメ作ってみたら1万字くらいあったんだが、どうやったらこれを年内に4倍にできるのか。これは留年かもしれないな。。もうむしろ留年の方がいい。。遠い目 そういう訳で全然更新できていないが、一応生きてはいる。

 BOC武道館の覚書は書き終わったのだが、まだ手書きの段階で打ち込み作業が終わらない。ノートに20頁くらいあるのである。。震えて待て。

 メレンゲはリリースまで一週間を切ったので、何やらやっているが、メレンゲと仲の良いミュージシャンが7人も思い浮かばなかった。あとはもう全部桶川バンドとか富士山バンドでいいっす。あとは富士山バンド2周で! しかしメレンゲ意外と友達いるよな。BOCじゃやれないよな。。切ない。なんであいつらあんな友達いねえんだよ! 

 小山田の近況報告があったな。来年の夏か。心は見えないから、体のことしか分からないのは仕方ないけど、別に焦って戻ってきてほしいなんて思ってないんだぜ。しかしこういう報告をリリースにぶつけてくるのは何というか、あんま褒められたことじゃないな。

 明日のライブが羨ましいが、明日発表があるんだよな。。という訳で諦めた。多分明日家に帰ってライブの話を見かけたりしたらそこらへんの壁に頭を打ちつけ始めると思うので、今のうちから悟りを開いておこうと思う。




  1. 2013/11/21(木) 23:55:18|
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共感百景

 フジ広島に民生ちゃんが乱入したという話をきいて頭がいっぱいだ。今ここを読んでいるあなたも行きましたね? 求む詳細。 くそ。。しかしやっぱり西日本も行かなくては駄目か。。。金沢だって文化的には西だが。。。ううむ。。。

 今日は劇団ひとりがレウコクロリディウムの話をしているのを観て来た。いやいや、本当は清野とおるとクボンゲがテーマに沿って共感できる自由律を詠んで品定めされるイベントに行って来た訳である。劇団ひとりはその司会である。

 撰者の東さんという人は怪談短歌で本を出すらしく、頭が完全にそっちのモードに入ってたな。だからそういう怖いのを求めているような感じだった。やはり光浦靖子や大橋裕之は巧かった。光浦靖子は生活感のある、細かいが圧倒的な共感を拾い上げるのが本当に巧い。大橋裕之はその男子版という感じである。この二人はずるいよな。こんなのいるだけで選ばれるに決まっている。

 それに対してクボンゲなんかは共感とはちょっと違う感じなんだよな。あんまり生活感はないしな。でも「深夜」というお題ですぐにさらっと書いていた「トイレに行くか行かないかを考えている」みたいなのはすげー個人的に共感した。「ドロボウが入って来た時のことをずっとシミュレーションしている(大意)」みたいなのも分かる!と思った。分かるよな。あれはすげー分かる。分かるぜ。深夜感超出てた。クボンゲの深夜は家の中の深夜だから個人的に共感できたんだろうな。大橋(「コンビニの前にたむろしてる人が悪い人なのかそうでもない人なのかよく分からない」「店員にニートだと思われてるだろうことを受け入れて演じる(大意)」)のは面白かったが、小生は夜中コンビニには行かないからな。

 清野とおるは最初に「虫」というお題で飛ばし過ぎて(「好きなあの子にカマキリの卵爆弾」小学校低学年の頃、好きな子の家に卵を持って行ってベッドの下あたりに仕掛けたらしい)、その後は結構まわりにおもねってた感があるな。苦笑 カマキリ卵爆弾は「好きな子にちょっかい出したい」という動機自体は物凄く共感できるが、カマキリ卵爆弾という手段がちょっとあり得ねえくらいエグいだけだ。ドン引きだが共感はできる。まあ清野とおるなんだからしょうがねえだろ。あと人造虫は誰でも一度は通る道だよな。。確かにとりあえずバラしてみたりはする。だがやっぱり彼も撰者の人が求めるようないわゆる「共感」の枠には入らない。すげー面白かったんだが。

 あとクボンゲは板尾創路観過ぎだろ。板尾が出ている時、袖の暗がりに白い顔がゆらゆらしているので最初スタッフかと思ったがクボンゲがウロウロしているだけだった。板尾がしゃべっているのを目をまん丸にして真剣な顔で観ていた。もう単なる観客である。ちょっともう板尾創路をガン見して一言二言会話しただけで今日の目的は済んだって感じに観えたぜ。笑 あとはアウェーを耐え忍ぶだけみたいなな。でも緊張してたんだろうな。声も字も消え入りそうだった。「深夜」の時に東さんに「クボさんは誰かと一緒に住んだ方がいいと思います」と言われていて笑った。苦笑 「病院」の時の「また ぐりとぐらがある」も字に味があり過ぎた。きったねえ字なんだが、嫌いじゃないな。いつもより汚かったが、お腹でも痛かったんだろうか。万年筆を持たせてみてえな。藤原も面白い字を書くんだが、あれは鉛筆があってるんだよな。最後にクボンゲと板尾創路が並んだんだが、やっぱり立つとデカいな。板尾が随分小さく見えた。あと、大橋はバカリズムとキノ下を足して2で割った感じに見えた。

 しかしクボンゲと清野とおるが仲良くなったら怖いよな。笑 あの二人はナカザという共通の友人がいるからな、、、クボンゲは麒麟の川島と大体隣り合わせだったから、しゃべったりしていたが。川島とクボンゲの声の音圧の差も面白かった。そういや畑利樹に似た人を見かけた。さすがに人違いだと思うが、二人連れで他の客からはちょっと浮いていたのでなんだか気になった。メレンゲのパントマイム野郎が来ているのには気付かなかったんだがな。



 まあ今日観て一番思ったのは、やっぱり早くメレンゲのライブが観たいってことだな。それが一番の発見だ。だってもう大分観ていない。
  1. 2013/11/11(月) 02:00:06|
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