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初恋の嵐 at Shibuya-AX

 行って来た。細かく書く時間がないからざっと書く。開場は少し遅れた。入るとアトミック・スウィングなんかがずっと流れていた。開演時間を10分ほど過ぎてSEがやむ。隅倉が挨拶するのだが妙にエコーがかかっているしバックでデカい楽器の音がするのでなかなかオーディエンスに伝わらない。3回目でやっと周りの音を止めて云ったのでやっと拍手が起こり、メンバーが下手から入って来る。

 おっさん達が楽器を手に取る。最初の一音がものすごい一撃だった。どいつもぱっと見は冴えないがこの瞬間のかっこよさったらないぜ。「初恋に捧ぐ」、非常に明るいメロディなのにこの時はなぜか凄まじく悲しく胸に響いた。現れたのは松本素生である。トリコロールのストライプのシャツにグレーのジャケットを羽織っている。だが松本なんかどうでもよかった。もう猛烈に悲しかった。

 二人目のボーカリストはセカイイチ岩崎である。くるくるの頭に山高帽を被り、青いシャツを着ている。一曲目は「No Power!」で二曲目は確かアコギを弾いていたが何の曲だったか今ちょっと忘れてしまった。生意気なクソガキみたいだがアッパーな曲もバラードも歌いこなす。三曲目は「Touch」だった。小暮のギターソロから各メンバーのソロが始まり、圧巻だった。岩崎はあんまり声を張らないが「Touch」では張らざるを得なくなっているようなところがあってよかった。隅倉曰く、岩崎はリハで自分の曲をさっさと終わらせて他人の曲まで歌って帰っていくそうである。しかし大体の曲は歌えるが今日は「Touch」の曲の入りをとちる夢をみたらしい。とちりはしなかったがちょっともたついた感はあった。岩崎が悪いんではないが。あと「オレ初期メン!」とか言ってたな。

 三人目は無頼庵。縞縞のオーバーオールを着て現れる。エレキを持ってきていてマイクを調節した。その時何か下ネタを言っていたような気がする。最初何と言ったのかわからなかったが多分そうだ。小生は下ネタが嫌いなので減点だ。一曲目はたしか「君の名前を呼べば」だった。ギターの音がぶっとくてかっこよかった。ヘッドのロゴは違ったが確かギブソンタイプのギターだったな。ここでも曲の入りがうまくいかなくて一回やり直したと思う。無頼庵は聴いたことがないんだが西山と違って渋い声である。なかなかよかった。古い友人だからきっと古い曲をやるのだろうと思った。MCでは玉川をいじりながらもしょもしょとしゃべっていた。二曲目はコモンビルの「睡眠」。三曲目は「のび太みたいだった西山をはじめてかっこいいと思った曲」だと言って「果てしない思い」をやった。なんとなく目尻が白く光っているのが印象に残っている。話し声と違って堂々とした歌はよかった。でも下ネタ言ったから減点な。

 四人目は誰だっけ。小谷美紗子だっけな。らくだ色のセーターを着てぷくぷくした女性が下手から現れる。一曲目は「Good-bye」だった。小谷の曲も聴いたことがなかったので楽しみにしていたががっかりだった。妙にもにょもにょした歌い方をする。前に聴いた岩崎のやつが非常によかったせいもあるが、これはよくないな。。終始ニタラニタラしているのもよくわからない。ニタニタしているかと思うと急に無表情になる。これはおへんちゃんだな! 赤羽系と命名しよう。電車の中にこういう人がいたら車両を変えるかじっくり観察するかのどっちかだ。嫌いじゃないがライブの最中は遠慮したいぜ。二曲目は「涙の旅路」だった。こちらの方がちゃんと歌えていてよかった。まあ音はずしてて不安になったが。しかしこれもやっぱりメレンゲクボのやつが大変よかったのでもったいなかった。それにしてもなんで彼女だったんだろうか? ぷくぷくしてかわいかったがそれとこれとは別である。

 五人目は確か堂島孝平である。白いシャツにネクタイ、青系のチェックのズボンをはいている。朝倉と隅倉も似たようなチェックのシャツを着ているので、なんとなくチェック率が高くなる。頭はやっぱりくるくるしていてやっぱり面白い顔である。あまり渋公と変わらない。渋公と同じように面白い顔をしながら(多分素である)、もったりしたイントロの中歩いてきた。「一年間色々なイベントに出てきましたが、今日はワンマンです。初恋の嵐、おめでとう!」と言って悠々と歌い始める。一曲目は「罪の意識」だ。劇的な切り替わりに鳥肌が立つ。玉川はすごい。あんなに小さな体であんなにゴツいギターを弾く。二曲目も渋公と同じ「Nothin'」である。よかった。

 MCで隅倉が鈴木に振っていたがあーとかうーとか言っている間に腹が立ったらしく唐突に次の曲のイントロを始めてしまう。いつもいじられている隅倉が唯一いじれるのが鈴木なのでいいコンビだと思う。そしてベースから始まる曲と言えばあの曲、「UNTITLED」である。そして下手から一人の男が飛び出してくる。ラグランにロン毛でコロッコロしたその男は中村一義だ。うおっ!? いや、どうも中村のビジュアルが小生の中では『ERA』あたりで止まっているので実物を見て相当驚いた。少しお肥えになったようで。かっこよかったが、鬼太郎をロン毛にしたようなツヤツヤした髪をふさふさ跳ね飛ばしながら歌う様はまさに異形だった。とりあえず散髪して頑張って減量してほしい。しかし目つきも犬歯も鋭くて怖かった。相当に気持ちを込めて歌っているからである。何かに怒っているようでもあった。終盤、「西山、届いてるか!」と叫んだのを聴いてはっとした。本当に友達だったのか。そりゃあ感情もこもる訳だ。歌い終わるとニコッとして「どうもありがとうございました」と言って去って行った。一曲だけだがかなりがつんと来た。

 「真夏の夜の事」のイントロが始まった。はっとして下手を見るとやはり出てきたのはスガシカオだった。白地に黒のデカい水玉のシャツを着ている。なんかキザである。終始イヤモニを気にしていて、大サビの時もいじっていたがはずれてしまい、そのまま歌いきった。楽屋でちゃんとはめてこいよ! あと大サビの歌詞もちょっと間違えていたと思うが、割とよかったと思う。演奏もさらにドラマチックになっていたしな。ただ見てるこっちも今にして思えばイヤモニに気を取られすぎたと思う。もうイヤモニはずしてやれよ! 

 「真夏の夜の事」のラスト感が強かったので終わって少しボーッとしたが、もう一人残っている。曽我部恵一だ。髭面だが汚らしさはなく、むしろそれが表情に柔らかさを与えている。この人を見るといい年の取り方をしているなといつも思う。人を安心させるような穏やかな優しい笑顔でメンバーに頷いて、曲が始まった。「星空のバラード」である。10年前も歌っていたよな。高いが広がりがあってどことなく包容力のある声ではないかと思う。


 これで本編は終わったがまだアンコールがあった。しかしもう時間切れだ。そのうち書けそうだったら続きを書こう。

  1. 2012/11/30(金) 14:01:13|
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20121124


 目白が死んだ。家の窓硝子にぶち当たって死んだ。前にも窓にぶち当たったのはいたが、しばらく休ませていたら元気になって帰っていったからまさか死ぬのがいるとは夢にも思わなかった。もう少し骨格が丈夫だったら死なずに済んだだろう。母親が紙に包んで焼却炉に放り込んだ。小生は大学へ出かけた。

 家に帰ってコートを脱ぐと、朝の小鳥のことがなんとなく気になった。燃したのかと訊くと段ボールが千切れなかったのでまだだと云う。積んであるボール紙を千切ると母親が火を付けた。外は冷えたが焼却炉の前だけは暖かいので火が消えるまではいられそうだった。紙屑はあっという間に灰になっていく。もうそろそろおしまいかと腰を浮かしかけたが、焼却炉の中がすべて灰になってもまだ奥で何かが燃えている。そうか、死骸がまだ燃えているのか。藤色がかった炎が細く上へ上へと伸びていく。やさしい黄緑色をしたか細い骨の小鳥が、生まれてから今まで見てきた光景を抱えて灰になっていく。火が消えるのを待って家に入った。

 少しずつ勉強していくにつれて、どうやら理論的に死を無効化することはできそうだと分かった。エリアーデは難しかったが大変ためになった。死は理論面でクリアできる。おそらく。

 しかし心の面で同じようにクリアできるかといったら話は違ってくる。虫や鳥の体があまりにも脆いこと、大学生だった頃の西山達郎のまだ子供っぽい歌声がまだ残っていること、誰かがもういないということ。アポリアはアポリアのまま、冷たく溶け残ってそこに存在し続けるだろう。

 また冬がやって来た。



  1. 2012/11/24(土) 23:37:47|
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アンディとハーブ続き

 やっと発表ラッシュが終わった。あとは来週に漢文の担当が終われば当分はもう少しゆっくりできそうである。しかし今日は先輩に会いに先輩たちと出かけるはずだったのに、本当だったら電車に乗っているはずの時間に目が覚めた。目覚ましいっぱいかけたのに何でだ。。。先輩に会ったら投げ飛ばされるかもしれないので震えている。。。出来ればマットの上でお願いします。。。

 しかし妙に時間ができたのでずっと更新できていなかったのをしていこうと思う。とりあえずアンディの記事を書きかけで放置していたのでその続きから。前に書いた記事は語弊のある書き方をしているだろうから見返すのが怖いのだが、差別をしている訳ではないし考えている途中のものだから鵜呑みにはしないでほしい。そういややっと小山田が日記を書いたが意味のない文章だったな。。。あれで精一杯なんだろうが。

 多分小山田にとって音楽もドラッグも同じ目的のための違う手段、この長いトリップから醒めないように、虚しさの中に取り残されないようにする方法なんだろうけど、両者は全く違うもので全く違う結果をもたらすってことを肝に銘じなきゃいけない。

 見た目はかわいいが彼の心は少しずつ腐敗していっているのかもしれないな。あの目の中の不気味な硬い輝きはその腐臭だったのかもしれない。

 自分を知っている人が増えること、自分の歌を聴いてくれる人が増えるということはどこかで必ず自分を縛る。だがそれは小山田くらいの人間だったら必ず乗り越えなければならないし、その先に必ずその制約をすり抜ける方法があるはずなのだ。もちろんドラッグなんて安っぽい方法以外でだ。

しかしもらったコメントにもあったが、もう一度ここまでついて来て今でもあんたみたいなクズのことを心配している人々をよく見てみろよ。小生の友人も会うたびに「大丈夫だろうか」と言っている。

いつかは人のために歌えるようにならないといけない。

長澤知之があいつを思いっ切りぶん殴ってくれるといいな。



  1. 2012/11/23(金) 14:21:55|
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アンディとハーブとミュージシャンの話

アンディモリの小山田が脱法ハーブを吸って暴れたらしいな。まだ逮捕という扱いではないが脱法ハーブだって相当マズいだろう。脱法ドラッグだとかトリップだとか如何にも好きそうだがもっとクレバーだと思っていた。しかし今年の小山田はやっぱりどこかおかしかったからな。。。別にこれくらいのことで聴くのをやめたりということはないが。

しかしまあアンディモリが好きだということと小山田に腹が立つというのは別の話である。ドラッグなんて馬鹿らしいというのもそうだが、ミュージシャンという職能に問題があるのだ。

音楽だとか芸能といった職能を司る人々というのは基本的にどの地域でも経緯は違えどアウトサイダーである。例えばアメリカでは社会において不可視化されたユダヤ人や黒人といった人々が映画だとか音楽の業界に活路を見出した。日本では芸能というのは元々祭祀から発したもので芸能民は中世までは畏怖されたがそこからどんどん蔑視されだした。まあどちらにしろいつの時代も普通の人々とは異質な存在であったことには変わりない。

今の日本のミュージシャンもやっぱりまだ普通ではないと思う。どうしても曲を聴いていると共感から相手と自分を同化してしまうのであれだが、どうにも拭い難くどうしようもない部分があると思う。実際、上の世代は何でもありじゃないか。岡村靖幸はまたそのうち捕まるだろう。

本当は言っちゃいけないことなのかもしれないがぶっちゃけると農耕以降の社会には常に階級が存在し、もちろん現在の日本にも明文化されない階級がある。出身、学歴、収入。女性雑誌も男性雑誌もそれごとに分かれている。特に侮蔑の言葉として言っている訳ではなく事実である。個人的にそういうことで差別はしないが「話しづらいなあ」とは思う。話は苦手だ。話上手なら違うのだろう。しかし他人の無教養に驚き、自分の頭の悪さ品のなさに首を絞められるような思いをする日々である。

話が逸れた。そして「ミュージシャン」もやはり「小生」とは階級が違うと思う。そもそも一体全体何だってあんなに猫も杓子も煙草を吸うのか。女性の喫煙者も多いよな。大学に入って分かったが喫煙はとても普通の嗜好ではない。20-30代の喫煙率でデータを作ったらはっきりするんだろうけどな。それは社会学の人にやってもらいたい。高卒・中退も多い。毎晩のように酒を飲み明かして酔っ払いが喧嘩し出すことだって結構あるんだろう。そういやキノ下もぶん殴られてたっけな。同じ芸術であっても例えば小説家なんかとは大分毛色が違う。軽音楽が年寄りに嫌がられるのも分かる。

けれども最近は割と真っ当な方向に業界が向かっているような流れがあると思う。フジ志村なんかは本当に真面目だしミイラズ畠山も見た目に半してそうである。それに次第に平均的な高学歴化も進んでいる。

なのに小山田のこれである。馬鹿野郎が。そりゃあ苦しかろう、どうしようもなくむなしかろう。イメージよりずっと弱く臆病なのも知っている。逮捕されず入手し易い脱法ハーブを選ぶくらいだからな。だがそんなところで紛らわせてどうするんだ。紛れた気がするのは一瞬で後はその何倍も苦しい。音楽業界にそういう磁場のようなものが働いているのは確かなんだろうけどな。弱った、あるいは退屈な心に悪い考えがつけ入り易いというような磁場が。まあ戦前ならそれを第一級の芸術に昇華出来れば構わないだろうが今の社会では悪いことをしたら社会的に抹殺されてしまうだろう。無頼派や与太者は最初からそうならどうか分からないが「つい出来心で」というのではファンは離れていくだろう。だから堅気になれよ。好きなバンドの新譜は年取っても楽しみにしたいだろ。 続きを読む
  1. 2012/11/03(土) 14:36:35|
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