inkblot

(私は波間にたゆたふ、たゆたふ。)


空の色味は薄紅色に金色に
赤い衣の聖母のやうに
優しく朧に微笑んで
江ノ島も 頭に灯台戴いて
蒼く煙つてゐるのだが
相も変はらず富士山は
真白き真綿の雲海に
其の身を任せて影しか見せぬ
私は波間にたゆたふ、たゆたふ。
心が虚ろでよく浮く、よく浮く。
鷗がとほくで泣き叫んでゐる。


  1. 2012/09/24(月) 23:59:11|
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コメントが


気付いたらめちゃくちゃ溜まっていて大変申し訳ない。
ありがたいっす。
もう少ししたら返せると思うんでよろしくどうぞ。



  1. 2012/09/24(月) 23:53:04|
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波多野は本当に気違いか


 ピープルについてどんなことが言われていたりどんな風に思われているのかはさっぱり分からないが、やはり気違いじみているというようなことが言われているんだろうか。波多野の言動や世界観は確かにおかしいがというか確実に言動は職質ものだが、考えてみると波多野が気違いだと思ったことはない。せいぜい佯狂みたいだなと思うくらいである。もちろん気色悪いということはしょっちゅう思っている。ツイッターなんかでも思ったよりもまともな感じがするが、歌詞を読んでいてもやはり格別「ああ気違いだなあ。気違いだ」と思うようなことがない。多分そのまともさは表面ではなくもっと根本のところにあるのだろう。

 ここ一月くらいかなりよくthe HIATUSを聴いているが本当の気違いというのはああいうのを言うのじゃないか。あんな物凄い声で「Save me」と叫ぶ人間がどこにいるだろう。そして曲調があれだけ目まぐるしく変わっていっても歌詞だけは全く何も変わらない。「Please stay awhile Until I get to be the right one Please come back to me When I can get to be the right one」。「Tell me you are here to stay In this crazy mixed up world And we still can make it right」。「I'm a fuckup and I'm a nuts so she's gone」。「I'm sorry I've never meant to be like this」。「I tried I tried I tried Hey I swear I tried I swear I tried」。何十年も歌って来て結局言いたいことが「僕はクソったれのゴミ野郎だ。だけど一生懸命頑張るから戻ってきて。お願いだから」というただそれだけということがうすら寒くなるほど怖ろしいことのように思う。

 細美はまともになろう、なろうと真っ正直に真っ直ぐに努力している気違いだ。作為的でなく素で狂っているから怖い。ぱっと見は至ってまともだが、彼の観ている風景は奇妙に捩じれ溶けて歪んでいる。これはもう治らない怪我、病気ではないだろうか。彼が人としての幸福を得ることはおそらくないだろう。なぜなら彼自身がそれに決別し表現者としてその先を常に見据えているからである。この先も彼に途切れることなく表現者としての幸福と栄光があればいい。




  1. 2012/09/21(金) 11:50:44|
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20120913


 ゼミ合宿から帰って来た。本当は一昨日帰って来たのだが疲れて泥のように眠りを貪っていたので何もしていない。合宿では先輩に就職活動のはじめ方を教えてもらった。なんだかスパイみたいな名前のテストがあってそれには数学が含まれているらしい。小生の将来はボーヨーどころか暗澹としている。。。あと蝉の話をしていて最近地元ではくまぜみがやたらと増えてきたのだが鳴き声が「○ネ○ネ○ネ」と聴こえるので頭がおかしくなりそうだと話したら爆笑された。あれは何故かよく分からない。それから源氏の落人が追手から逃れて隠れ住んでいた鍾乳洞へ行ったり後輩たちと川遊びをして置いて行かれそうになったりレモン牛乳を飲んだり色々した。行きも帰りも皆爆睡だった。

 あまりに疲れ過ぎていて合宿の帰りにタワレコの前を通ったにも関わらずBOCの新譜をフラゲし損ねて帰ってからうなだれた。普通に翌日の発売日に買ってそれからずっと聴いている。PVも観た。かっこよかった。だがサイトで散々自慢していたあの変な球は正直結構微妙だよな。薄ぼんやりしていて全然綺麗ではない。

 しかしそろそろメレンゲの今年の首都圏でのライブ予定が皆無であることに我慢がならなくなってきた。いや、西日本とか行けないからな。よもや上半期で燃え尽きて10周年の後半はだらだらになるなんてことはあるまいな・・・? どう考えても年内の東京のライブがもうないなんてことはないと思うんだが11月から12月にかけては個人的にライブラッシュで死ぬ予定なのでいい加減にしてもらいたい。情報が出るのが遅すぎて本当に困るな。。。そういやコメントももらっていたがそういう人は小生だけでなくかなり多いと思う。DVDも思わせぶりなことは言うがちゃんとやっているのか謎である。作業が進んでいるかどうかを疑っている訳ではない。まあぶっちゃけそれも若干心配だが、内容だとかクオリティ面がである。どうなるのか。。。出来が良かったら3枚買って五体倒地する予定である。

 そういや今日は弟と一緒に終わりの方から『ロゼッタ』という映画を観た。1999年にパルムドールを獲ったらしい。飲んだくれの母親(ちょっと美人)とトレーラーハウスに住んでいる貧しい女の子がやっと小さなみすぼらしいワッフルスタンドの仕事にありつくのだが、仕事を手放したくないが故にそれを紹介してくれた男を池に突き落としてやっぱり怖くなって助けたり、オーナーに告げ口をしてその男を辞めさせたりする。弟が「ペチカみたいだな。苦笑」と言ったがマジで『童話物語』の冒頭の実写版みたいである。ただあの女の子はペチカよりずっと弱い。生活のために手段は選んでいられないから何でもする。でも心が弱いからせっかくやった酷いことも台無しになって全部中途半端で終わる。すげー観るのがつらい映画だった。死ぬほど一生懸命に生きてるが道徳的に一生懸命でいれるこれができない圧倒的な貧しさというのは本当に苦しい。もうペチカみたいな女の子みんなすげー幸せになれよ! アイフォンなんかに群がってる場合じゃねえよ! 


  1. 2012/09/14(金) 09:15:57|
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屍者の帝国

 発表の準備に煮詰まってつい読んでしまった。これだけは絶対に丁寧に読もうと決めていた。だが絶望するほどあっという間に左手の中の頁数は減っていった。

 文体は伊藤計劃がベースにはなっているがその中に消しきれない円城塔が溶け込んでいる。まず主人公がジョン・H・ワトソンというところから相当楽しいが、プロローグが終わってもはちきれんばかりに詰め込まれた小ネタには最後まで一々ニヤニヤされられた。勿論全てを拾えているとは思わないが。ネタのチョイスは若干円城塔寄りなようにも感じたがどうだろうな。星の智慧派が出てきた時は大笑いした。『黒い仏』では気付くのに時間がかかり過ぎたが。今までひどい斜め読みしかしていなかったが一般教養として一度ちゃんと読むべきだな。あとバロウズが出てきた時に同姓同名なせいで一瞬訳が分からなかったのは少し悔しい。

 円城塔は『虐殺器官』を念頭に書いていたように思う。ワトソンはワトソンにしては繊細でクラヴィスを思わせるし、当初筋肉バカとして登場した愛すべきバーナビーは頁を繰るごとに少しずつ鋭い発言をし始めウィリアムズに近づいた。ハダリーは名前からして伊藤計劃が喜びそうだが、ルツィアと同じようにファム・ファタールである。カラマーゾフとザ・ワンはジョン・ポールに少し似てはいないか。

 内容については触れられるほどの能がないので触れない。だが最後の2頁を読み終わって頭痛がするまで泣いた。物言わぬ筆記者であった円城塔が最後に発した言葉に。彼が成し遂げた事の壮絶さに。彼のこの物語の作者に対する絶大な信頼に。そしてもうあの人の新作を読むことは二度とないということに。そばで偶然『Syrup16g』が流れているのも悲しかった。ボロ泣きする時というのは最早「悲しい」という現象が私から切り離されて存在している。あれは非常に不可解だ。

 死者に「ありがとう」と言える人は紳士的だ。小生は未だにどうやって死者を叩き起すかで頭の中をいっぱいにしている。みっともないよな。早く心から「ありがとう」と言えるようになりたい。

 しかしこの本が売れなかったら本当に終わりだな。。。『虐殺器官』、『ハーモニー』、『メタルギアソリッド』、『屍者の帝国』。これは日本だけに留まらずどこまでも広がって読まれていくだろう。

http://www.kawade.co.jp/empire/



  1. 2012/09/07(金) 14:05:07|
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