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Snatches02

 
 かしむかし、あるところにF. シュテルンバルト氏という紳士がいました。紳士はタマネギが大こうぶつでしたが、ものすごくなみだもろいひとだったので、タマネギを料理することも、ましてや皮をむくことなんてできませんでした。


 そこで、紳士はかいけつ法をさがしてみることにしました。

 紳士の教養として、シュテルンバルト氏も科学をたしなんでいたので、タマネギ料理マシーンの発明に取り組んでみましたが、うまくいきません。研究の結果、機械で紳士の舌をまんぞくさせるような技巧を再現することはふかのうであることがわかりました。

 つぎに、氏は同じく紳士の教養である魔術に取り組むことにしました。分厚い魔術書をひもといて、なんじかんも何にちもがんばりました。けれど、ある日ついにタマネギ魔法の不可能性について書かれた記述を見つけてしまいました。どうやら、魔法とタマネギは相性がとてもわるいらしいのです。


 すっかりまいって頭をかかえたシュテルンバルト氏は、とうとうタマネギ料理にんをやとうことにしました。

 やってきたのはニコラ・テ・ヴィッキというひとりの女の子で、うまれてからいちども泣いたことのないというつわものでした。とりあえず、わらった回数もおなじくらい少なそうだと、女の子をみて紳士シュテルンバルト氏は思いました。




  1. 2010/03/30(火) 14:04:21|
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君に春を思う

これっていいタイトルだよな。「春にして君を想う」から来てるのか? 

たしか、クボは小沢健二聴いてたよな。まあ、あっちは丸パクリだが。


「今日 君が笑う それだけで春だ」、か。

こういうワンフレーズの強さって、いい。

そういや、ちょっと箱根まで行って来たが、山々は薄紅色に靄っていたな。



もう、春ですな。




どうでもいいが、箱根の湯は熱い。




  1. 2010/03/28(日) 16:46:52|
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Jubilee

近よく聴く。

穏やかでピースフルな狂気。穏やかで美しい絶望。

ゆるやかに振り切れてる。

正直、CMなんかで流しちゃいけないだろうと。




それにしても、テルミンいいよな。




  1. 2010/03/26(金) 22:06:05|
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24 月 



……雨が降っているな。

3ヶ月前の今日はどんな日だっただろう。

……笑っていたな。

一年前の今日はどんな日だっただろう。

……電話していたな。

忘れているようなふりをしてなんとかやっているよ。

いつまでだって先延ばしにしたいが、

そろそろけじめはつけるべきかい?

そうね、桜が咲くその前までに

もう一度電話してみるさ。

こっちといえば、

だましだましがすっかり板について

困っているよ……


……雨が降っているな。




  1. 2010/03/24(水) 18:03:25|
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無題の歌

細く捩ぢれた白い木が
ミルクティー色した昼の中
ざぶりどぶりと沈みます


もう上がつては来ないでせう
けど底にも着かぬでせう
其の内夜が来るでせう
深い藍して来るでせう


然したら僕も 美味(むま)そうに
バットを一本吸つてやり、
白い煙を浮かべませう



赤く膨れたエヤメール
赤く焼けた彼は誰れに
ぶわりぶわりと紛れます


もう直ぐ夜がやつて来て
弔ひの鐘も鳴るでせう


赤児起さぬ用心し
然もしめやかに鳴るでせう


然したら僕も 美味さうに
バットを一本吸つて遣り、
白い煙を浮かべませう


黒い怪物其れ目掛け、
白い煙を吐きませう



而して闇夜の其の中へ
下駄を鳴らして消えませう




  1. 2010/03/23(火) 00:36:28|
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