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inkblot

201901-03

 気づいたら三月ももう終わりそうだ。何をしていたのか思い出せないので手帳をみながら音楽関係だけ拾ってみると、フジファブリックのバズリズムの収録がライブ初めになって、そのあと二月に浅草公会堂の青葉市子、ジャネット・ジャクソン武道館、町田で町田康(汝、我が民に非ズ)、三月は一週間おきにフジファブリックのツアー初日と富士吉田のクボンゲを観た。

 バズリズムの収録はノリで申し込んだらライブの部分だけ当たったのだが、10分足らずのライブのために三時間くらい待たされたせいでめちゃくちゃ走って終電に飛び乗る羽目になった。せめて終電にはもうちょい余裕をくれ。。。でも少し緊張の混じった強張った顔でステージに出てきた山総がフロアを見て「こんなたくさん来てくださってありがとうございます。FABch? 家族じゃん~~」と破顔したのでどうでもよくなった。月数百円の会費とライブに行ってあとなんとなく幸せを願ってるだけの人びとにそんな顔して大丈夫か? いい人とは限らないぞ。心配だ。SMAはちゃんと山内総一郎を保護してほしい。「こんなすごい番組に出れて、しかも成田くんもいてびっくりした~~」と言っていたが、そこにいた大部分はライブだけの人びとなので、それ知らないぞ山総。あと自分はテレビをほとんど見ないので成田という名字に心当たりがなくて誰だか真剣に考えていた。PV出てるじゃねーか。すいません、映画は観てません。「今年は15周年で、来月からツアーがあって、豊夢くんとまわるんですけど、10月20日には大阪城ホールがあります。ここにきてる人は強制参加なんで来てくださいね!」とも言っていた。安心しろ、チケットならとっくに買ってるぜ。「若者のすべて」と「破顔」をやった後、「破顔」が撮り直しになって袖から出てくるところからやり直していた。山総は「戻ってきました。これしゃべらなくてよかった? いっぱいしゃべっちゃった。。。もうしゃべらない!」みたいなことを言っていた気がする。金澤先生は「みんな一回目は知らない曲だったけど、次はもう知ってる曲ですからね! 盛り上がってくださいね!」みたいなことを言ってまたすべっていた。南無。

 青葉市子ちゃんもよかったっすね。マームとジプシーとかは食わず嫌いしているのだが、一回くらい観た方がいいんだろうか。舞台も作り込んであってよかった。ちょっと喉のコンディションが万全ではなかったのが残念だが、それ以外は素晴らしかった。「機械仕掛乃宇宙」も聴けたし。オリジナル(山田庵巳)も演るごとにどんどん変化しているらしいけど、こちらも音源よりかなり変化しているんだな。MCもまるで詩を呟いているような感じで、終始途切れることなく彼女の世界の中にいるようだった。山田庵巳や日比谷カタンの影響を受けているというところがもうすでにどっぷりと歌と語りの未分化なところに浸かっているのだと思う。

 ジャネット・ジャクソンは割と直前に行くことになったのだが、武道館クラスで観れることはまずないだろうから運がよかった。そういや去年安室ちゃんのライブも観たんだけど、ジャネットは安室ちゃんの元ネタ的なキュートでポップな印象が個人的には強かった(完全に親の好みのせい)のだが、かなりポリティカルなテーマを押し出したゴツいライブでカッコよかった。ホント、これくらいやらなくてどうするんだよな。。一曲まるまるやらずに端折ったりしていたし、ジャネット本人はそんなにバリバリ踊りまくるという感じではなかったけど、でもキレがすごい。東京ドームとかじゃなくて武道館だからよく観えたしね。

 一月に町田文学館主催でやっていた町田康の講演(中也と朔太郎についてだったが、時間配分という概念がなくて朔太郎には一切触れられずに終わった)に行ったら、知らない人がタダでチケットをくれたのでありがたくまた町田に町田康を観に行ってきた。講演の時は風邪をひいて熱で朦朧としていたのでよくわからないままもらってしまったが、冷静に考えてあれよかったんだろうか? 当日会ったらお礼をしようと思ったが、どの人だか分からなくなってしまって何もできなかったので申し訳なかった。ここじゃ目につかないだろうけど、ありがとうございました。いいライブだった。会場のまほろ座もレストランになっていて、食事をしながらライブを観るような感じで雰囲気があって知らなかったけれどいいハコだった。まあ自分は食べながら別のことができない人間なので、開演までに口に入るものは処理しましたが。はじめて観たので知らなかったが、どうやら町田康はMCで話すことも事前にカンペを作っているらしく、歌詞のカンペとは別に小さなフォントでいくつか短い段落を区切って書かれた紙を細長く几帳面に折ったものを見ながら話していた。

 「ええ曲やな/ええ歌やな、どっちも言うけど無意識に使い分けている。洋楽とか何言ってかわからん、音だけ聴いてるようなのは曲、美空ひばりを聴いて「ええ曲やな」とは言わない、日本語の、意味が分かるもんは歌。河内音頭とかめちゃくちゃ長いもんを記憶できるのは音と意味の両方が合致しているから、年号や電話番号も語呂合わせだと覚えられるけどあれも音に意味がつくから。英語で歌うのはなんかカッコよさげな雰囲気出せていいけど、せっかく日本語できるから日本語の歌歌いたい。でも英語で歌うといいこともあるんですよ、レコード倫理委員会に突っ込まれずに済む」とか

「高村薫『土の記』を歌にしたが、物語はいい、歌に近いから。でも記を歌にする、歌を記にするのはむずかしい。書いた後自分でみて、なんて歌詞を書くのがうまいんだろうと思った」というくだりが、その通りだと思うかと言われればちょっと違うんだけど、面白かった。

 フジツアー初日、まだツアーは終わっていないのであまり言えないがめちゃくちゃよかった。山総が「横浜スタートのツアーは幸先がいいんです。なぜかというと2008年のTEENAGERツアーも去年の帰ってきた三日月ADVENTUREツアーも横浜スタートで、どっちも最高のツアーだったからです!」とハイテンションで語っていたが、もうずっとハイテンションだった。三人で前に出てきて弾く曲で山総が金澤先生の頭を手でグチャグチャにしていたり、ある曲ではギターを弾かずにハンドマイクでお散歩した後マイクをスタンドに戻すのが間に合わずちょっとマイクでギターを弾いていたりと山総やりたい放題であった。あと金澤先生はリハで急にファルフィッサの音が出なくなり、蒼ざめながら蓋を開けたらかとをさんが「ここにネジがあります」と基盤に挟まっていたネジを発見し、ネジを取り除いたところ直ったがネジがどこから出てきたかわからないという怖いことを言っていた。ドヤ顔で「身から出たネジ」とのたまっていたが、すべってますね。南無。

 クボンゲ富士吉田、そんなん富士吉田でやって特別なものにならないわけがない、よかったっす。朝はやはり寒かったが、昼くらいからはかなり暖かかった。というか心臓破りの忠霊塔の階段をきっちり上ったせいでかなり汗をかいた。いつも思うんだけど、富士吉田は路傍の石神が生き生きしているところがいい。あの線路脇のでかい道祖神とか最高だ。自分の地元も道祖神だとか数は多いけど、古びて忘れ去られているような感じでまったく生気がないんだよな。しかしどこにいてもまるで見守られているように巨大な富士山が見える。富士山の懐に深く抱かれている街で、単に街並みだけでなく多分そういうところもあの街になんともいえない懐かしさを覚える要素のひとつなんじゃないかと思う。富士山は暖冬で数日前まで雪が全然積もっていなかったが、やっと雪が降って冬らしい姿になったと小室浅間神社のおじさんが言っていた。お墓に手を合わせてあたりを歩いて吉田うどんを食べたりしてからライブを観た。ホールの入り口のところに志村家とフジファブリックからでかい花が届いている。フジファブリックからはクボンゲだけでなく、路地裏の僕たちにも花が贈られていた。志村の誕生日前後だけに流れる「若者のすべて」のチャイムが響き、すぐ出てくるのかと思いきやだいぶ待たせてからやっと出てきた。

 なんというか、授業参観みたいなライブだったかもしれない。志村家と同級生のみなさんに観せたいというのが一番大きな動機だったろうから。おそろしく緊張していつもより多めにくねくねしていたし、たぶん言いたかったことの三割も言えてなさそうだったが、歌は素晴らしくよかった。「CAMPFIRE」から「ルゥリィ」、「hole」、特に「hole」はものすごく入り込んで歌っていて、今まで聴いたなかで一番よかった。だがいいところでアコギにひどいノイズが入りはじめ、それに動揺して歌詞がとっ散らかっていた。どうやらシールドの差し込み口が緩くなっていたかしたらしい。たぶんこの日のために買ったアコギなのに、一度弦を外さないと直せないということで曽根さんにそれを任せて健太氏と二人のコーナーを前倒しでやることになった。さすがのクボンゲも小さな声で「ホントすいません...」と謝っていた。二曲くらいしたところで修理を終え、万雷の拍手のなか曽根さんがステージに戻ってくる。「今朝三人ともバラバラに来たんですけど、ぼく高速間違えて新潟方面に行っちゃって。。。間に合わなくなったらどうしようって焦ったんですけど。。。でも高速は好きです。笑 そういう曲をやります」という不安しかない前振りで「highway&castle」。再び曽根さんが退場して「再会のテーマ」、カバーコーナーは「そして僕は途方に暮れる」「タイムマシン」。「タイムマシン」のあとに戻ってきた明らかになんかおかしい曽根さんにクボンゲがぎこちなく冗談めかして「え、泣いてるん?」と問い、曽根さんがわざとぶっきらぼうに「え。いや、まあそうですけど?」と返していておれも泣いた。本編ラスト二曲は「クラシック」「ビスケット」で明るくしめたが、アンコールに「火の鳥」「笑ってサヨナラ」を持ってきていて言葉もなかった。あの「笑ってサヨナラ」はすごかった。あの一曲のためだけでも行った価値はあったが、でも全曲よかったんだよな。MCはあんま面白くなかったけどな! 「路地裏の僕たちとかすごくない? 昔からミュージシャンになるって公言してたんでしょうね。あんな仲間がいて。。。オレはそんなの全然ない。そんなの絶対言えなかったし、友だちとかいないし。。。オレの地元でやってお前らホント来んのか?」とかグチグチ言っているのに対し、「ていうか友だちいなくてやれなくない? 家族でやるしかないやん、お兄ちゃんに頼むしかないやん」「。。。兄貴はめちゃくちゃやってくれる。。。」というクボ兄氏に全力でお世話になっていく方向で話が進んでいて一周回って兄氏が頼もしく感じられた。お兄さん、マジでよろしくお願いします。いやしかし特別なことはやらないとか言ってたがセットリストとかめちゃくちゃ考え抜いてるじゃねーか。四月にめちゃくちゃ久しぶりに出るシングルも、バンドでもソロでもないし共作か~~と思っていまいちテンション上がらなかったのだが、やっとかなり楽しみになってきた。ドラマで流れてるやつより配信されているやつのアレンジの方がらしくて好きだな。ドラマ全然観てなかったのでたまには観るかと思って観ていたら妙にデモっぽかったんだけど変わったのか? 特に調べても情報は出てこなかったので謎である。そういや富士吉田でもやるかなと思っていたが、やらなかったな。合わせるのが間に合わなかったんだろうか。なんでもない。まあとにかくメレンゲにあんま興味のないフジファンも今回の新曲はかなりやばいフレーズがあるのでぜひ買ってください。いろんな意味でやばい。



  1. 2019/03/27(水) 10:19:10|
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20190104



明けましておめでとうございます。バンプを聴きながら18きっぷで諏訪に向かっている。ちょっとどこか行こうと思っても諏訪くらいしか思い浮かばないんだよな。今思えば静岡方面とか行ってもよかったような気もするが、フジファブリックを観に何も知らず鈍行で浜松まで行ったのが軽くトラウマになっているのでやっぱり諏訪がいい。静岡は世界の果ての草原か何かなのか? さすがに帰りは新幹線で帰った。まあそれはいい。道中暇だしブログでも書くか。

去年は山総×せっちゃんで始まり、クボンゲのクリスマスライブで終わった。バンプは一回も観れなかったんすけどね、バンプは。しかしフジはいいライブがたくさん観られてよかった。昭和音大のツーマンもよかったが、やはりフレパリキッド(GLIM SPANKYとのツーマン)が感慨深い。やっぱりリキッドくらいのキャパがちょうどいいんだよな。そりゃめちゃくちゃ好きなバンドなら東京ドームの隅っこだって観たいけど、でもそれってホントはもうライブとは少し違うものになっているのかもしれない。ライブが観たい、ライブが。好きなバンドをそれぞれせめて年に一回でもリキッドルームで観られたら最高だ。でもあるわけないよな。

フジファブリックはFABch限定ライブやmellowに行けたのも嬉しかった。ここのところフジの倍率の高いライブは大体はずれていたので当たらないと思っていた。最高だった。FABchはアルバムの初披露的な場ということをその場で知ったので面食らった。ネタバレを気にして何も言えなかったのでつらい。弾き語りは本当に素晴らしかった。機能美というか、ステージの上の山内総一郎には演奏に必要ない無駄なものを一切帯びていないように見える。なんというか、ミュージシャンという生き物が本能だけでそこにいるような感覚がある。それにしてもほぼギターと歌だけというのはこの上ない贅沢だ。今回はルアンちゃんの弾き語りまであったので頭がおかしくなりそうだった。どんどんライブで使ってほしい。いやしかし、弾き語りは素晴らしかった。もっと身軽にやってくれないだろうか。しかしファンクラブ限定ライブの同伴者が非会員OKなのは落選したファンたちの怨霊に地獄の底から呪われるので、スタッフのみなさんにおかれましてはそろそろやめた方がいいと思う。感想を呟くだけでも殺気を感じるのでどうにかしてくれ。あとハナレフジ。ハナレフジは異次元の楽しさだった。おそろしい。なんなんだあれは。絶対音源出してほしい。そして毎月ライブやってほしい。

メレンゲというかクボンゲもやっぱりかなり観たが、なんかメレンゲのライブは観るたびにモヤモヤしてしまった。未だにうまく言葉にできないのだが、停滞となれ合いのようなものを感じていたのかもしれない。あと「楽しそうな顔をしろ、手を挙げろ」という圧にも正直疲れていた。ハナレフジとかなら自然と笑顔になるけど、メレンゲでそういうことはない。でも多分同じくらい楽しんでいる。そもそもメレンゲに陽気さを求めていないし、そんなに向いているとも思ってないんだよな。たとえるなら料亭でナイフとフォークを出されたり、家庭料理レベルの洋食を出されるような気持ちだ。まずくないけど、得意料理はそれじゃない。洋食が嫌いなわけじゃないけど、今食べたいのは違う。明るくない曲を繊細に演れるバンドって、シーンを見渡せばじつは貴重な存在なんじゃないか。ライブで明るくない自分の曲を卑下するクボンゲが嫌いだ。去年はいいライブもたくさんあったけど、どこか光が見えないようで辛かった。今年はソロ第二弾がタイアップつきであるようだし、やっと光が見えてきた気がする。めちゃくちゃ期待してるんだ、頑張ってくれよ。

それから遠野に寺尾紗穂さんを観に行ったのもとてもよかった。わらべうたを中心にしたものだったのだが、ものすごいレパートリーである。研究者なみに詳しいんじゃないかと思ってしまうが、たぶん研究者よりその深いところに触れているような気がする。そこに悔しさや羨ましさを覚える。マレウレウやテュルクソイの中央アジア民族楽器オーケストラもよかった。まったく西洋的でない見たこともない楽器たちがあんなに見事に合奏しているなんて最高にカッコいい。最終日なんかそこに尺八や津軽三味線まで混じっていた。終演後もステージの上で輪になってずっと踊っていた。あれはよかったなあ、観れるものならまた観たい。しかしホーメイ、めちゃくちゃアツい。もっと聴きたい。もっと知りたい。

去年は寺尾紗穂、折坂悠太、青葉市子はよく聴いた。それぞれ新譜がめちゃくちゃよかった。特に折坂悠太は春に出た『ざわめき』がめちゃくちゃよかったのでフルアルバムの方がしょぼかったら嫌だなと思ったらそれ以上だった。おみそれいたしました。これは売れてしまう。『平成』、めちゃくちゃ聴いている。最高。ただライブを観に行けなかったので、今年は観たい。あと湯川潮音。去年もよく聴いたし、年末年始も聴いている。子守唄のアルバムがめちゃくちゃよかった。フィジカルの方はたった四千円で好きな名前を入れて歌ってくれるのでほぼ無料みたいなものである。もしかしてこれは慈善事業か? 自分の子どもか贈り物としてオーダーする人が多いが、自分の名前を頼む人もわりとそこそこいるっぽいので安心して推しに名前を歌ってもらえばいいと思う。やっぱりライブは観れなかったので今年は観たい。ライブが観たかったといえばCHAIも観たかったんだよな。CHAIいいよね、未来と希望を感じる。そのまま軽やかにいろいろなものの上を飛び超えていってほしい。

バンプは去年リリースラッシュでやばかったっすね。まあ今日もまた新曲の情報出たんですが。どんだけ出すんだ。とにかく一刻も早く「月虹」をリリースしてくれ。それにしてもまだ「ベイビーアイラブユーだぜ」の衝撃から立ち直っていない。CDJで「スノースマイル」を「あれはただの惚気だから」というようなことを言ったというのを聞いた。そういう肩に入ってた無駄な力を抜いたのか。狭義のラブソングに大して興味はないけど、こだわりを脱ぎ捨てたこれからをもっと見たい。おっと、茅野に着いた。とりあえずはここまで。
  1. 2019/01/04(金) 10:14:06|
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20181224

12月24日だ。昨日は高円寺にいたんだ。飲みつけないコーヒーを飲んで眠れないから、さっきからずっとフジファブリックを聴いている。今日だってあんたの歌は最高だぜ、志村。

2009年12月24日の出来事はどうしたって納得できることではない、9年後の今でも。あまりにもさびしくやりきれない理不尽な死が、今でも否定しがたく冷たくそこに横たわっている。気がつけば、いつもそこにつまづいている。でも最近はその冷たさに身を浸してばかりいるのももう違う気がしてきた。

なんというか、志村正彦をまるごと肯定してやりたいんだ、彼の人生は終わりかたひとつで損なわれるようなものでは決してないだろう。肯定してやりたいとか、べつに友だちでも家族でもない赤の他人なんだけど、でも他人じゃないんだよな、傲慢でかまわない、おれたちわりと似てるところもあるよ、似てないところもいっぱいあるけど。とにかく未来に連れてってやりたいんだ、行けるところまで。さびしい顔のまま置き去りにしたりなんかするかよ。

でもホントに不思議なほど古びてゆかないんだよな。たぶん志村のことを考えない日もある、けれども気づけば彼の断片はもうすっかり思考や生活の一部になっているんだよな。一緒に行こうか、嫌がったって連れて行くけど。


夜が明けはじめた。



  1. 2018/12/24(月) 05:35:26|
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20180808

 わりと遅くなりましたが、クボ氏誕生日おめでとうございます。41歳か、結局40歳の記念ライブ的なのはなかったことになっている。。。もはやツヨンゲの40歳を祝ってメレンゲでライブやってほしいよな。富士吉田でライブやるとか言ってたのは来年の方がいい気がする。その暁にはできるだけ早めにブッキングしてアナウンスしてほしい、マジで。

 あんまり関係ないのだが、最近原民喜にはまっていて今年の原爆記念日はちょっと特別な気持ちで過ごした。考えてみれば、8/6、8/9、8/15、お盆と、8月って実は死者の気配が濃密に迫ってくる時期だ。大して思い入れはなくても一種異様な空気感のある時期だったけど、文学の力を借りればもっと深く入り込める。

 最近は『羊と鋼の森』で引かれているのでそれで知っている人もいると思うが、原民喜はだいたい太宰治と同年代の詩人で、もともとすごくいい文章を書く人だったが広島で被爆しそこで体験したものを書ききって死んだ人である。最近岩波新書から岩波新書らしからぬオシャレな評伝が出たのだが、読みながら泣いた。原民喜はコミュ障である。中学の5年間一言もしゃべらなかったとか、佐藤春夫に会うのに奥さんについて来てもらい伝言ゲームみたいに耳打ちして言葉を伝えてもらったとか、涙なくしては読めない。めちゃくちゃ身に覚えがあるぞ。あんたはおれか。ただまあ原民喜は金持ちの家の三男坊で慶應に行き、卒業後は実家のお金で引きこもり生活をしてたイケメンなのだが、それについて考えはじめると暗黒面におちるのでやめておく。

 原民喜のすごいところは、彼は大切な人びとに先立たれまくったため、自分が死ぬのは怖いくせに生きている人間よりも死者に限りない愛着を抱いていて、だからこそヒロシマのおびただしい死者たちを一身に引き受けて歯をくいしばるようにして書いたことだ。じつは原民喜、被爆の前年に大好きな奥さんをなくしている。臆病で繊細で一切生活力のない男が、もっともそばにいてほしい人のいない世界で、飢えや体調不良や貧しさに苦しみながら生き残った自分しか書けないものを後の世代に託していった。これは受け取らなければならない。マジで誰よりも力強く生き抜いた人だと思う。青空文庫で読めるから、とりあえず「気絶人形」と「鎮魂歌」を読んでほしい。特に「鎮魂歌」はやばい。すさまじい感度で他者の声を拾い、自らの身体を使ってその語りを響かせている。無数の語りがとめどなくあふれてくる。

 みたいなことを考えている時にツアーファイナルを観てきたのだが、めちゃくちゃよかった。ここまで民意を汲んだセットリストって初めてなんじゃないだろうか。声の調子もここ最近はかなり安定していて、すごくいい。めちゃくちゃ久しぶりの「ロンダリング」とかアガらないわけがない。カバーも選曲がめちゃくちゃいい、「カルアミルク」にスーパーカー(「PLANET」)ってもう言い値で買うから音源化してほしいレベルである。ライブ音源でいいので。「July」はやらなかったけど、ぶっちゃけこのあいだのメレンゲ ワンマンより全然よかった。「July」はやらなかったけど。

 観ながら、弱いままでいいんだと思った。弱くても弱いなりの戦いかたがある。無理矢理強くなる必要なんかない、でもしたたかさはもう持っているんじゃないか。「バンドのためのソロ」と言っていたのはまだ期限切れじゃないと思っているから、その未来に夢を預けている。



  1. 2018/08/17(金) 15:00:37|
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未だスーパースター

相変わらず「手紙」を聴いている。二、三百回くらい聴いたあたりから、残像のようにふとした時頭の中で流れる「手紙」の奥の方から「火の鳥」が響いてくるのに気づいた。イントロの暴力的なまでに強い力を秘めたギターのリフからAメロ、細かい手癖のようなフレーズの空気が似ている。全く違うバンドの違う曲に同じギタリストが注ぎ込んだ血が脈打っているということを噛みしめている。しかしよりによって「火の鳥」の面影を引いているというのがおそろしい。いや、そこに面影を見出しているのは自分だ。つぶさに耳を澄ませば、決してよく似ているわけではないのだから。

一週間前は納豆の日だったな。毎年「くそダサいなケケケ」と思いながら過ごしています。しかしそう言う自分の誕生日も七夕を狙いすましておもくそ空振ったような日なのだが、納豆よりかは那覇の方がいいとかたく信じている。おれはバタイユの生まれ変わりだぞ。そしたら志村はハドリアヌスの生まれ変わりかな、五賢帝は強いぜ。。。ちなみにクボ氏は柳田國男の生まれ変わりである。くだんねえな。。そんなことを考えながら神話をこねくりまわしていた。そして8年前の今日は富士Qだったな。8年前もこんなに暑かったのをよく覚えている。38歳、おめでとう。まだきみは最高さ。


  1. 2018/07/17(火) 23:37:38|
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