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The Vines - Rainfall


 そういや梅雨にも入ったことだし、ヴァインズにはめずらしい雨の曲を載せようと思う。ヴァインズは水の少ないオーストラリア出身のせいか、彼らの曲に湿度はほとんど感じない。この曲もアウトロに雨と落雷の音が入っているんだけど、でもどこかカラッとしていて日差しを感じる曲でもある。晴れた空に漂う雨粒が太陽の光を受けて輝いているようなイメージが浮かぶ。これもコーラス・ワークが素晴らしい。音像に奥行きがあるというか、空が高い。

歌詞はシンプルだけど、シンプルゆえにちょっと意味が取りにくい気がする。あんまりいい訳でもないかもしれないけど、聴くきっかけにでもなってくれたらうれしい。いい曲なんだ。






The Vines - Rainfall from Winning Days (2004)



ぼくらは雨と雷から隠れていたんだ
ぼくは幾日も外を見つめながら
こっちに落ちてくるだろうかと考えてた

だからぼくたちはまたやって来たんだ
ぼくらは多勢に無勢で
それはぼくにのしかかっているものの重みの感触なんだよ
彼女がぼくの名を呼んだように思った
夏の日に
今まで何か変わったことなんかあったっけ
ひとりぼっちの微睡みのなかで

この世界を通り抜けながら 自分の足音が聴こえるんだ
信じられないよ あんなにゆっくり話し出したなんて
何がわからないかわからないんだ
行かせてよ

ぼくらは雨と雷を割けて隠れていたんだ
ぼくは何日も外を見つめながら考えてた












  1. 2021/07/04(日) 21:33:55|
  2. 音楽
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A Book List For Sexists


チャマの言い訳を読んで聴いた。もう全然許せねえよ。許せる要素をひとつも見出せなかった。この9ヶ月間、どう自分のしてきたことに向き合ったかではなく、どう逃げてきたかじゃないか。何を守りたいかではなく、何が変わったのかを見せろ。おまえが傷つけてしまったバンプの「看板」なんか、はっきり言ってやる、そんなものくそったれだ。「バンプの一員としての覚悟が足りなかった」なんて発言、本当に何も学んでないことが露呈していてがっかりしてしまう。バンプのメンバーとして以前に人間としてやってはいけないことだからだ。

あのね、おれはまだ女の子に高いプレゼントを山ほど買ってあげて、高い外食とホテルに行ってたほうが100億倍マシだったと思うよ。でも既婚者ということを隠し、女の子の家に上がり込み、手料理を作らせ、それからコスプレ?? 女の子の真心っていうのかな、そういうより繊細で深いレベルの搾取だと思う。独身だと嘘をついて騙して付き合うってことは、嘘で同意を得たってことで、そんなのレイプの一種だ。やさしい顔で、やさしい口調で、あんたがしたことは疑いの余地なくレイプだ。途方もない暴力なんだ。

ほかのメンバーにも本当にがっかりだ。彼らはチャマがそういうようなことを繰り返していたのを全く知らなかったはずはないんだ、それなのに見て見ぬ振りをしてきたというのは同罪じゃないか。馴れ合いの腐敗臭がする。バンプは傷ついた人や弱い人のために歌ってくれているんだとおもっていた、でも女性を踏みにじって平気な人間とそれを見て見ぬ振りする連中の音楽だったんだ。もう嫌だよ、自分をごまかして自分からあんたたちを庇い立てするのは。これ以上つらい感情労働を強いないでくれ。週刊誌やネットでの拡散を握りつぶすことはできなかったものの、テレビでの報道を徹底的に防ぎきった事務所の汚さにも本当にうんざりだ。報道されなかったら忘れられるのも早いとおもっているんだ、バカにしている。最悪だ。


そんなにたくさん勉強しているわけでもないけど、少なくともバンプよりは本を読んでいるのでブックリストを作った。雑だけど上の方は特に読んでほしい本。それからビリー・アイリッシュの「ユア・パワー」を100億回聴いてほしい。こういうことをなぜしてしまうのか、それは傲慢さと他者に対する想像力の欠如から来ている。もっとも弱い人びとの、声なき声を聴く努力をしてほしい。そして自分の内なる差別心も、もっともっと削ぎ落としたい。





・ブレイディみかこ『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』文藝春秋
・チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』河出書房新社
・レベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』左右社
・田中美津「便所からの解放」『いのちの女たちへ』現代書館
・グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』フィルムアート社
・ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』エトセトラブックス
・ブレイディみかこ『女たちのテロル』岩波書店
・金子文子『何が私をこうさせたか』岩波文庫
・栗原康『村に火をつけ、白痴になれ』岩波現代文庫
・藤野可織「ここからは出られません」(note連載)や新しめの短編、『ドレス』、『来世の記憶』あたり
・ジャック・ロンドン『どん底の人々』岩波文庫
・イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』
シンジア・マルッザ他『99%のためのフェミニズム宣言』人文書院









  1. 2021/06/13(日) 23:34:25|
  2. 音楽
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Skegss - Running from Nothing

なんとなくYouTubeでスケグスが出ているNMEのホーム・セッションズを見ていたら、わりとしみじみしたので訳した。スケグスはオーストラリアのバイロン・ベイでベン・リード、トビー・クリーガン、ジョニー・ラニの3人とあと(本業に専念するため)すぐ辞めたプロサーファーのノア・ディーンというイモくさい4人のオージーが組んだタラタラしたサーフロック〜ガレージバンド。プロフィールには"Dumb band"(マヌケバンド)と書いてある。ウケる。

最近よく聴くんだけどなんかいいんだよね。田舎からヒッピーの集うバイロン・ベイに出てきて大工や石工やサーフショップをやりつつバカ騒ぎしながらバンド組んで、サーフィンやったりスケボーやったりしている享楽的な連中といえばそうなんだけど、湿度のない軽いサウンドに乗っかっている歌詞がちょっと切なかったりしていい。ベニーのボーカルも陽気だが、ちょっと舌足らずで訛っていて高めのしゃがれ声で、なんだか夕方の子どもみたいな切なさがある。同じニューサウスウェールズ州とは言ってもシドニー出身のヴァインズはここまで訛っていない(というか州内と言ってもそもそもめちゃくちゃ広いが)。まあ彼らはデビューしてしばらくLAにいたのである程度訛りを直しているというのもあるのかもしれないが、ベニーは話すときも歌もダラダラしたオージーの英語で何言ってるのかよくわからない。でもしみじみする。ちなみにベニーとドラムのジョニーはフォースターというバイロン・ベイとシドニーの真ん中あたりにある海しかない小さな街の出身である。行ったことないけど、綺麗な海以外ホントに何もないところだということだけはわかる。

ミュージック・ビデオを観ているとアホな連中だなあとおもうが、インタビューなんかだとベースのトビーがペラペラ話して、ベニーは借りてきた小学生みたいにぎこちない笑みを浮かべて黙っていたりするので、わりとシャイなのかもしれない。ジョニーは座ってるだけ。コメント欄には「こいつらラリってる」と書いてあった。初期は変な名前で活動していたらしく、ベニーはBen Ben Bograilと名乗っていたという事実がツボってしまい、一ヶ月くらいが経った。うんうん、ベン・ベンはあれだろ、ジョン・ジョン・フローレンスだよな、で、ボグレイルって何? 便所の聖杯?? 便器のことか?? 発想が完全に小学生。ウケる。

ところでこれはどんな曲かというと、30手前の男による「おばけなんてないさ」である。いくつになっても怖いものはわりと減らないし、いつもつるんでる連中との楽しい瞬間瞬間のエアポケットのようなさびしさってなんでこんなに際立つんだろうともおもうし、おれはそれよりベニーんちがめっちゃジャングルなことのほうが気になる。バイロンのあたりもワライカワセミっているんだっけ? シドニーのほうはいないんだよな〜〜 






Skegss - Running from Nothing from Rehearsal (2021)


存在しないものから逃げてる
存在しないんだからおれに取り憑いたりできないはずだよ
ソファの上に泊まってる
だってリビングに幽霊はいないから
誰も家の中になんかいやしない
だけど気配をかんじるんだ
べつのエネルギーを
まるで別個のものみたいな

夢から落っこちた
それでシーツに着陸したにちがいないね
目覚めたらそこにいたから
眠っちゃったんだよな

夢から落っこちた
何かべつのシーンから抜け落ちた
そしてそこで目が覚めたんだ
眠っちゃったんだよな

存在しないものから逃げてる

存在しないものから逃げてる
存在しないんだからおれに取り憑いたりできないはずだよ
ソファの上に泊まってる
だってリビングに幽霊はいないから
ビールをのみに来てよ
ちょっとだけ
うん、おれはどんなオバケにも関わらないようにしてるんだ

















  1. 2021/05/22(土) 21:59:48|
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Billie Eilish - Bellyache


そういやここに書いたことはなかった気がするんだけど、せっかく取れた来日公演のチケットを払い戻しする羽目になったことを時々思い出してはヘコむくらいにはビリー・アイリッシュが好きだ。どうせもうチケットなんか取れねえんだ、あーあ。自分で書いてまた悲しくなってきた。もし一生ビリーを生で観られないんだったら、絶対ヴァインズは観させてほしい。

特に意味はないが、最近よく聴いていて気づいたら訳していたので「ベリーエイク」の和訳を載せる。この時15歳とかだっただろうか。ミュージック・ビデオもいいよね。今見たら5億回再生されていた。言うまでもないけど曲も歌詞もいい。おれももしあと10歳かもっと若かったら、ビリーが世界の全てになっていたかもしれないなと思う。新曲もめちゃいいんだけど、でも彼女くらいの女の子もまだこんなことで傷つけられているんだということが胸を刺す。ビリーは間違いなく世界を変えつつあるけど、どうか守られていてほしいなとも思う。あとビリーのインタビューを女言葉で訳すのもクソ。「〜のよ」とか言うわけない。




Billie Eilish - Bellyache


独りで座ってる
口はガムでいっぱい
ドライブウェイで
友だちはそう遠くじゃない
車の後ろに
体を横たえてる

正気はどこ? 
わたしの正気は? 

やつらはすぐに来るだろうね
わたしの部屋で
お金を捜してる
爪を噛んでる
牢屋に入るには若すぎるよね
ちょっとウケる

正気はどこ? 
わたしの正気は? 
正気はどこ? 
わたしの正気は? 

たぶんどん底なんだ
どこで恋人とはぐれたっけ
なんて高くつく運命なんだろ
Vは復讐(ヴェンデッタ)のV
もっと気分よくなれるとおもったんだ
でも今おなか痛い

わたしのすることは全部
ロープを首にかける方法
まるでネックレスみたいに
あいつを怖がらせたいんだ
まるでどこにでもいるみたいに
見境ないみたいにね

正気を失っちゃった
でも気にしてない
正気はどこ? 
わたしの正気は? 

たぶん風前の灯なんだ
どこで恋人とはぐれたっけ
なんて高くつく結末なんだろ
Vは復讐(ヴェンデッタ)のV
もっと気分よくなれるとおもったんだ
でも今おなか痛い











  1. 2021/05/16(日) 00:51:22|
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Country Yard


なんだかこの曲みたいな気持ちなので訳してみた。日本盤の対訳だと「田園地帯」と訳されているんだけど、全然しっくりこない。クレイグはシドニー郊外のわりと自然もあるあたりで育っていて、自分の家の庭を気に入っていた。ベースのパトリックは「べつに自然豊かってわけじゃなくて、フェンスで囲われた、芝生が生えてるだけのありふれたちっぽけな庭なんだけど、本人は気に入っているんだよ」とちょっとケチをつけるようなことを言っていたが、でもそこはクレイグにとって無限に夢想が駆けていくような秘密の庭園だったんだ。それはおれにはわかる気がするけど、ふーん、パトリックにはわかんねえんだね。

というエピソードを知っていると、counrty yardは郊外にある実家の庭のようなイメージが浮かぶ。それか郊外の原っぱだろうか。うーん、でもファーストのトラック・バイ・トラックでパトリックは「オータム・シェイドと似たような題材の曲」と言いつつクレイグの家の話をしてるから、やっぱり実家のイメージが強そうだ。あと(I was taken by) the shadowsって影とか幻影って訳すのがよさそうだけど、そういうのも込みの夕闇をなんとなくイメージしている。shadowsだけなら夕闇や夕暮れって意味でいいと思うけど、まあこれも誤訳かもしれない。ところでこの曲はもともとファーストに入れるつもりはなかったらしく、一度デモを録ったきりでライブでもほとんどやっていなかったのをプロデューサーのロブ・シュナッフが気に入ってレコーディングをすすめたらしい。ありがとう、ロブ・シュナッフ。本人たちだけがピンと来ていないことってあるよな。念のために言っとくけど、めちゃくちゃいい曲だ。





The Vines - Country Yard from Highly Evolved (2002)


気が滅入ったり役立たずみたいに感じるのにうんざりしてるんだ
それから全然違う風に話すのも
まぶたを糊付けしてしまうのはさ、きみ、
もしかしたらいい逃げ道かもしれないよ

秘密の庭園には何もないんだ
あるのは青と白のイメージだけ
永遠に正気を失ってしまうのはさ、きみ、
もしかしたらたったひとつのサインかもしれないよ

ひなびた庭を歩いていて
夕闇に捕まったんだ
ぼくたちはあまり遠くまで見渡せなかったけど
ぼくは明日を夢見てたんだ
変化なんて要らないんだよ
持っているものなんて必要じゃないんだ
ひなびた庭に出て行けば
きっと大丈夫だよ

ひなびた庭に降りて行って
夕暮れに捕まったんだ
ぼくらはあまり遠くまで見渡せなかったけど
ぼくは明日を夢見てたんだ
変化なんてべつに要らないよ
持っているものなんて必要じゃないんだ
ひなびた庭に出ていけば
きっと大丈夫だよ









  1. 2021/05/10(月) 00:00:00|
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